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『ジョーカー・ゲーム (角川文庫)』~地味系かっこいい~

柳広司
07 /23 2013
ジョーカー・ゲーム (角川文庫)ジョーカー・ゲーム (角川文庫)
(2011/06/23)
柳 広司

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舞台は昭和。
日本軍に密かに作られたスパイ養成所D機関から始まる、闇にうごめくスパイゲーム。

スパイというとまず思い浮かぶのが007。
派手な道具、車、まわりをとりまくきらびやかな女性などなど。
なにかと派手な印象がありますが、実際はそんなはずありません。
諜報活動を旨とし、あくまで影の存在として国のために滅私奉公する存在。それがスパイ。
実際は派手なはずはありません。

本書においても、シーンとしては地味。
ドンパチは無いし、ちゃんちゃんバラバラも全然無い。
あくまで、スパイに忠実に、目立たず目立たずの行動をとり続ける登場人物たち。
とことん無名性を求められ、成果をあげても褒められたり、勲章されたりすることもなし。
彼らをかりたてるものは、「自分ならできて当たり前」という自負心のみ・・・

この小説にでてくるD機関の者たちは超一流の人間ということになっています。
知識、肉体、精神ともに、並外れたものばかり。
そんな彼らがスパイに身をやつすのは「この任務を果たすことのできるのは自分だけ」「自分ならこの程度のことはできなくてはならない。」というとんでもない自負心のため。
他人にとやかく思われようが、言われようが何ら関係のない、どこかネジの外れた連中で構成されています。

そういう登場人物たちが行うスパイ活動。
先も言ったとおり、シーンとしては地味ですが、そこで展開される頭脳戦や推理なんかはテンポが良い。
場面場面でせまられる決断に対して、ずばぬけた才能を持ったものたちがどう行動するか。
地味なんだけれど、はらはらさせられる場面もあったりして、なかなか楽しめました。

ストーリー展開では出来過ぎなところも多いです。
「これはうまく行き過ぎだろう・・・」なんてところが多いですが、それでも世界観が面白いので許せる範囲。
昭和×超越技能集団×秘密組織。
なんだかこういう組み合わせに心くすぐられるので、続編も読んでみようと思います。


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