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『愚の骨頂 続・うさぎとマツコの往復書簡』~差別されるもの、あるいはマイノリティー~

愚の骨頂 続・うさぎとマツコの往復書簡愚の骨頂 続・うさぎとマツコの往復書簡
(2011/11/08)
中村 うさぎ、マツコ・デラックス 他

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中村うさぎさんとマツコ・デラックスさんの共著。
お二人の往復書簡形式で展開される、考え方、生き様、そして日本に対しての舌戦。

私が本好きになったのは、中村うさぎさんの作品から。
20年ほど前に、中村うさぎさんは『ゴクドーくん漫遊記』という、今でいうラノベを書いてられました。
当時小学生だった私は、本というものの面白さをそこから知りました。
まさか、中村うさぎさんがラノベ作家からこんな社会派(?)になるとは夢にも思わず。。。

楽に読めるといったものではないですね。
ピリピリしている。
読んでいると、そこまで追い詰めなきゃ、られなきゃいけないのかといった、お二人の厳しい人生が垣間見えます。
これだけのこと体験しなきゃ、こんなこと言えんわなとなっとく。

何も二人共元来毒舌で強いというわけではなし。
もちろん打たれ弱さだってあるし、人と同じ様に悲しみや苦しみがあるわけで。
ただ、二人もそれぞれ生きていた過程において、武器としての強さであり毒舌、または自虐を身につけなければ身がもたなかったんだろうなってのも感じられました。
特に、差別やマイノリティーに対して言及する部分。
社会的マイノリティーを強く感じた二人の言葉からは、多くの人が少なからず感じている、孤独感の真相が伺えます。

自分の考えを忌憚なく相手にぶつける。
「遠慮なく言って」とか言われた経験がある人もいるかと思いますが、なかなかそうは言えないもの。
どこかでブロックがかかって、もごもごしてしまいがち。
相手への遠慮もあるんだろうけど、どこか信頼しきれない部分や、自分を制御しきれない怖さみたいなのがあるんだろうな。
二人の舌戦からは、厳しい中にも相手への絶対の信頼が伺えます。


本書で気に入った言葉を抜粋。

『いいことばかりを虚言して、嘘で盛って生きている人に対しては、あんなにも過敏に反応するくせに、ベクトルは別の方に向いているとはいえ、あえてバカだと思われたい、もっと無頼でありたいと、逆に盛って生きているアタシは、きっとある種の虚言癖なのかもしれない、そう思うのよ。』~マツコ・デラックス~

『「傲慢」こそ悪徳の王よ。』~中村うさぎ~

『孤独への耐性と他者へのリスペクトあってこその「絆」なんだわ。』~中村うさぎ~

『私は長らく「バカ」と「純粋」を混同してて、単なるバカを純粋な人だと勘違いして惚れたりしてきたけど、あんんたを見てるとつくづく思う。本物の「無垢」は、知性なくして成り立たないんだわ!』
~中村うさぎ~

『そう、人間、行くところまで行っちゃったら、あとは這い上がる道しか残ってないのよ。くよくよしているうちは、まだ甘えているのね。もうやけくそで進むしかないじゃない。私たち、生きてるんだもん!』~中村うさぎ~


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『うさぎとマツコの往復書』~歯に衣着せぬ魂の双子たち~
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『うさぎとマツコの往復書』~歯に衣着せぬ魂の双子たち~

うさぎとマツコの往復書簡うさぎとマツコの往復書簡
(2010/11/06)
中村 うさぎ、マツコ・デラックス 他

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お暑い日が続きますね。
本当に暑い、嫌になる!
頭はボーっとするし、クーラに頼れば疲れるし。
ここはひとつ、川にでも泳ぎに行きたいという欲求を胸に抱えるが実行できない、そんな毎日です。

そんな暑い毎日に、これまた熱い本。
熱いといっても、松岡修造さんのような暑さではないです。どちらかといえば地獄の業火のような熱さ。
当代を代表する歯に衣着せぬ中村うさぎさんとマツコ・デラックスさんの対話集です。
魂の双子とかでてきますが、おふたりの仲はそうとう深そうで。。。

対話といっても面と向かってではなく、タイトル通り往復書簡の形式で進行するのですが、、、
酸いも甘いも、特に人間の業の深さを、人様よりは経験しているおふたりですから。
一ページ一ページの切れ味がものすごいです。

仲が良いおふたりなのですが、その対話内容は、お互いを切り込むような内容もしばしば。
ほんと、歯に衣着せぬ物言い。ズバズバと、なかなか他者に対して聞くことのできないような内容までつっこんでいきます。
逆に信頼の深さも感じますけどね。
生半可な仲じゃこんなこと聞けないだろうし、こんな本の形式にまとまった内容にはならないだろうと思います。

年も性別も違うけれど、お互い辛い状態から這い上がってきた境遇は似た者同士。
お互いを魂の双子と呼び合うお二人は、なかなか他人では理解できない、通じ合うものがあるのでしょう。

本書で書かれているような文体。
憧れるものがあります。
思いっきり、ズケズケ言ってるんだけれど、論理的に外していない。
相手を、世相を、地震の価値観から生々しくえぐっているけれど、文には一貫してインテリジェンスさが漂っている。

感情と理性とがうまく融和した、そんな文。
それは、他者の目とかを気にするなどを、ある程度のところでとっぱらっているからこそ可能なんじゃないかなって思います。

自分ができないもんだから、そういう書き方に憧れる。



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『悪人の名言』~良いこと言う悪人

『ナメクジの言い分 (岩波科学ライブラリー)』~殻がなくて何が悪い~

ナメクジの言い分 (岩波科学ライブラリー)ナメクジの言い分 (岩波科学ライブラリー)
(2012/10/05)
足立 則夫

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梅雨の風物詩

都会のナメクジは絶滅の一途(?)という噂の真偽を確かめるべく自ら発見マップを作成し、また全国の知り合いに呼びかけて観測情報を募る。歩きはノロノロだが食欲は旺盛でキャベツはバリバリと頬張る。ビールも大好き。意外にも記憶力は強いらしい。2億年ずっと生活スタイルを変えずに生き残ってきたナメクジの本音と愛らしさに迫る。 (「BOOK」データベースより)


●殻のあるとなしとで生じる差別

スローなスローななめくじの本。
きっと、購入するとなると絶対しない類の本です。

図書館の新刊コーナーで見つけたもの。
おそらく、私が一番最初に手をつけたはずです。
もし、今回私が手に取らなければ、この本は次にいつ日の目を迎えられたのか。。。そんなことすら考えてしまう「なめくじ」について語られた本。

この本を読もうと思った理由はただ一つ。
「なめくじは殻のないかたつむりなのか?」
という点。

かたつむりは、わりとみなに愛されているようなのに、殻のないだけでこうも毛嫌いされるなめくじ。
そのへんが昔から気になっていたので、この本を読んで色々知ることができけっこう満足しています。

どうやら、昔はそうほう同じようなものだったよう。
そんな中、進化の過程で殻を捨てたと推測されるなめくじ。
(なにぶん、あんな物体なので、化石などに残っていないよう。なので推論部分が多いよう)
それは無くなったとか、失ったとかネガティブな理由でなく、”捨てた”と言ったほうが正しいよう。
より狭い場所に逃げ込めるように、より身軽になれるように。
「守る」よりも「逃げ切る」を選択した末が、われわれが見ているなめくじのようです。

そのへんの、かたつむりとなめくじの考察の他、日本なめくじ分布図や、勢力図、文学芸術のなかのなめくじなど、とにかくなめくじずくし。
とにかく、これで一冊の本を作ったという情熱がなによりもすごい。
正直、全体を通して地味な印象を受けますが、行間からは熱気が漂っています。
著者、関係者のなめくじへの思い。
世の中にはそういう思いをもつ人がいて、そしてなめくじも伊達や酔狂であんな形をしているわけではないということが知れただけでも儲けものかも。

(カテゴリーとして「学術」にいれようかと思いましたが、本全体の構成の面白さで「サブカル」とさせていただきました)



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歴史の珍書 『こんにゃくの中の日本史』

『悪人の名言』~良いこと言う悪人

悪人の名言悪人の名言
(2012/08/25)
悪人の名言研究会

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映画、漫画、小説の悪人さんたち


マンガ、アニメ、映画、小説etc…悪役達の美学が詰まった言葉100選。(「BOOK」データベースより)



●集めりゃ良いってものでもない

古今東西のストーリーに、多くの悪人が登場してきました。
そんな悪人たちの名言だけを集めた一冊。

この手の本、けっこう手にとってしまいます。
あの手この手とテーマやジャンルも様々。最近では漫画のなかの名言ものが多いような気がします。

そんな中で悪人だけに絞った名言集。
物語の中の悪人は、時に主人公以上に魅力的で、鋭い言葉を残すこともあります。

そういう名言ばかり集められてはいるのですが、正直あんまり面白くありませんでした。
タイトルの割には、悪人とは言えないようなキャラクターも取り上げていますし。(スネ夫やちびまるこちゃんの永沢君など)
しかも、名言とは言い難いようなものが多かったのでちょっぴり残念でした。
名台詞と名言は違うってことなのかな。名言というからには、心にズドンと響く、なおかつ普遍性みたいなものを感じるものを期待しますし。。。

本書、ちょっと漫画に偏りすぎた感があります。
古今東西の様々な物語、小説には、この本には収められなかった悪人がいて、刺すような名言をきっとのこしているはずです。
そういうところをもっとせめていれば、面白い本になっただろうに残念。

それでも、こういうコンセプトで集めようという心意気は評価します。


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武器としての笑い 『反・進化論講座―空飛ぶスパゲッティ・モンスターの福音書』

反・進化論講座―空飛ぶスパゲッティ・モンスターの福音書反・進化論講座―空飛ぶスパゲッティ・モンスターの福音書
(2006/11)
ボビー ヘンダーソン

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宗教と公教育

「進化論なんて認めない!」保守回帰を強めるアメリカの宗教右派の理屈をそのまま使って預言者ボビーが立ち上げた新宗教「空飛ぶスパゲッティ・モンスター教団」がネットを中心に大ブレーク。楽しく読み進めれば、知らず知らずのうちに、アブナイ宗教や、もっともらしいトンデモ科学の手口にだまされない能力が、身につく。(「BOOK」データベースより)



●スパゲッティ・モンスターとは何か?

空飛ぶスパゲッティ・モンスター」とは宗教である。
この世界を想像したのはスパゲッティ・モンスターであり、学校でもそのことをおしえるべきである。
著者のボビーヘンダーソン氏はそううったえています。

これはアメリカで起こった、インテリジェントデザイン(以下ID)を公教育に取り入れようとする動きに反論すべく起こった、パロディーを基本とした冗談宗教の話です。

IDとは何か。
ざっくり言うと、この世の中の生命は神様がつくりました!っという考え方。
これを進化論と同じく学校教育で教えようという動きがあったのです。

●たちあがるボビーヘンダーソン

そんな根拠のないようなものを、学校で教えて良いものか?
ボビーヘンダーソンは、自ら空飛ぶスパゲッティ・モンスター教を立ち上げて、抗議しました。
スパゲッティ・モンスターをもちい、生物の進化に対する論理性整合性があるとうったえ、そしてIDを教育に導入するのならば、同じようにスパゲッティ・モンスターも授業で教えるべきである!っと。

一見、「何馬鹿なこといってるんだ?」といった感じがしますが、よくよくこの騒動を見ていると、ボビーの行なった行動にも賛同を感じてきます。
世間では、IDの公教育導入に反対の動きもあったが、それほど強くない。
真面目に反対運動をしても、たいして世間で取りざたされない。

そこで登場したのがIDをパロディーにしたスパゲッティ・モンスター教。
スパゲッティ・モンスター教 シンボル
(↑シンボルマーク)

この強烈なキャラクターは世界へと広まり、一気に世間の支持を得ました。
結果的に紆余曲折して、ID論は見送られることとなったようですが、スパゲッティ・モンスターはその後も、世界中で長く愛されることとなります。

上記のことのあらましはWikipediaにのっています→空飛ぶスパゲッティ・モンスター教
本書は、そのスパゲッティ・モンスター教の全てが書かれたパーフェクトガイド(?)
わたしはWikipediaを読んで、なんと面白いことを考える人がいるのだろうと心打たれ、勢いでこの本を買ってしまいました。

●頭からしっぽまでスパゲッティ・モンスター

読み進めるうちに、若干勢いで買ってしまったのを後悔しはじめるような、そんなすばらしく詭弁と馬鹿馬鹿しさに満ち溢れた内容です。
スパゲッティ・モンスター教では何を愛するのか。天国と地獄の違いは何か。世界創成の時はいかにぐだぐだでおこなわれたのか。スパゲッティ・モンスターが世界を作ったという論拠は。などなど…

日本の書籍としては、教科書以外ではあまりお目にかかれない横書きの文章でつらつらと語られています。
(読みにくいったらありゃしない)

一部の日本人が西洋のコメディーでまったく笑えない場合があるように、本書もかなりアメリカのセンスが強く受け付けがたいものを感じるかもしれません。
本当に、ごく一部の、スパゲッティ・モンスターのすべてが知りたい!!という人以外にはオススメし難い一冊です。
本当に、どうしても欲しいという情熱がある人にだけ…
(Wikipediaの内容で十分楽しめます)


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