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『駿河城御前試合』~シグルイのその後が!血で血を洗う十一番勝負~

南條 範夫
02 /03 2013
駿河城御前試合 (徳間文庫)駿河城御前試合 (徳間文庫)
(2005/10)
南條 範夫

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数年前、『シグルイ』という漫画にはまりました。
なんちゅうか、壮絶としか言えないような時代物の漫画。
左腕の無い剣士藤木源之助と盲目の剣士伊良子清玄との宿命の対決を描いた作品。
作者の山口貴由さんの画力もあり、残酷ながらも力強く人を惹きつける漫画に仕上がっていました。

シグルイのその後、どうなったのか?



・シグルイの原作、駿河城御前試合とは



この『シグルイ』の原作となったのが『駿河城御前試合』。この中の「無明逆流れ」という話が元となっています。
今から50年以上も昔に書かれた本ですが、今見ても十分に面白い。
時代劇ということもあるのでしょうが、ぜんぜん古臭さを感じさせない内容です。

映画『バジリスク』の原作になった『甲賀忍法帖』と近いものがあるかも。
異能とはいかないまでも、常人をはるかに凌ぐ秘伝の技を持った武芸者達の勝負が十一番描かれています。

小説って、いくら物語でもどこかに救いようみたいなものを求めてしまうもの。
ただ、『駿河城御前試合』に関してはそれがありません。
どの試合も、救いようのないバッドエンドみたいなもので締めくくられていますし。

残酷というかなんというか。

描写の残酷さよりも、そのバッドエンド感にある種のすごさが。

たぶん、昭和のこの時代だからこそ湧いてきただろうストーリーだろうなって感じ。

現代で同じようなものかいても、じめっと陰湿的に終わるんじゃないでしょうか。

バッドエンドはバッドエンドなんだけれども、あとを引く感じのものではありません。

力強いバッドエンド?うまく言葉にはしづらいけれど、とにかく容赦の無い結末。

・藤木源之助はその後どうなるのか?



この『駿河城御前試合』では、『シグルイ』では描かれていない”その後”があります。
(以下、ネタバレ含む)

本書の中、十一番勝負でほとんどのものは刃に倒れますが、シグルイの主人公藤木源之助は数少ない生き残りとなります。

無事命をながらえ、平和な結末がまっているかと思いきや。。。

同じく試合出場者であり、生きのびることができた磯田きぬという女性がいるのですが、藤木源之助は密かに思いを寄せていました。

しかしその磯田きぬに徳川忠長から夜伽の命が。

それを避けるため、藤木源之助と、もう一人小村源之助というもの二人できぬを逃がそうとします。

しかし手練れの追っ手を差し向けられることに。

せっかく御前試合で生き延びた藤木源之助始め、他の生還者もことごとく刃に倒れることに。

そして、きぬも忠長の夜伽を拒否するため、自らに刃を向け自害したのでした。

なんとも言えない、いやぁな後味。残酷味極めりといった感じ。

正直、シグルイのラストもあまり後味のいいものではありませんが、その後が描かれている「駿河城御前試合」でも血生臭さや

シグルイはどちらかといえば、絵力と勢い、そして残酷絵で魅せる漫画。駿河城御前試合はそれをイマジネーションで魅せる原作であります。逆に自分の想像力の限り、その残酷世界が広がるので、かえって不気味な迫力は強いかも。

シグルイのその後だけでなく、他の異能の技を持つ剣士達の試合もそれぞれ面白いです。

シグルイが好きだったり、興味を持った方は駿河城御前試合の全容を把握する上でもおすすめの小説です。

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