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『花伝書(風姿花伝) (講談社文庫)』~奥義~

花伝書(風姿花伝) (講談社文庫 古 15-1)花伝書(風姿花伝) (講談社文庫 古 15-1)
(1972/03/25)
不明

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日本の伝統芸能「能」。
その能の秘伝がしるされた、日本人の芸能の根底に迫る一冊。

作者は世阿弥。父、観阿弥に教わった事などを基に、およそ600年前に記したものです。
そこには能における所作や、心構えなどが書かれており、長らく秘伝書として伝わっていたよう。

落語をはじめとして、日本の古典芸能に興味があるので、読んでみたのですが難しかった!
まず、能をちゃんと見たことがないので、その実感がいまいちわからない。
能について書かれた本としては難しかったですが、よく読むと現代にも通じる事柄も潜んでいます。

基本をきちんと抑えるとか、多くを学び会得するなど。
現代社会においても、外してはいけない、肝のようなものが抑えられており、こういう事柄は普遍的なのだということがわかりました。

また、度々出てくる”花”という表現。
華やかさや艶やかさにつうじる概念でしょうが、しきりにこの”花”の重要性がとかれています。

芸能、あるいは芸術に関する分野では、もちろん系統建てて学び身につけなければならないものも多いです。
しかし、それとは別に”花”がなければ、どこか物足りないものになりがち。
その”花”はその道以外の普段の生活、心構えの中で会得していく類のものだと思っています。

難しい本ではありましたが、この”花”というものの重要性に改めて気付かされたのは儲けものでした。


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『思考の整理学 (ちくま文庫)』~東大・京大で支持される本~

思考の整理学 (ちくま文庫)思考の整理学 (ちくま文庫)
(1986/04/24)
外山 滋比古

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「東大・京大で5年間販売冊数第1位」
帯に書かれたこの文句に惹かれて購入したのですが、これが面白い。

東大・京大生支持っていうから、もしかしたらすごく難しい本なのでは?と思ったりもしました。はたして全部読みきれるだろうか。。。
しかし、実際に書かれている文体はわかりやすく、すいすいと読みすすめていけます。

論文の書き方が主題となっていますが、根底にあるのは思考するということについて。
私たちが、日常的にしているものです。でも身近なことだけれどもよくわからない部分が多いのも確か。
朝おきてから、夜寝るまで、様々なことを思ったり、考えたりしているのですが、その思考にも人によって差がでてきる。
あの人はどうしてあんなに面白い発想や考えが浮かんで、私はなにも浮かばないんだろう。。。ってなことを少なからず経験した人はいるはずです。

ハウトゥーやノウハウとはまた違った内容。
どちらかといえば心構えが近いかな?思考の心構え。
日常生活をおくるなかで、どのようなことが大切で、重要になってくるのか。
また、何をすれば思考をうまく扱うことができるのか。
そして、自ら思考するというのはどういうことなのか、など。

冒頭に「グライダー」という章があります。
グライダーは最初飛行機か何かに引張ってもらわなければ飛ぶことのできないモノ。
大学生は、学生の間はグライダータイプで教授などに牽引してもらいながらそれなりの飛行(考えをまとめたり、学業をこなす)はできるのだけれどもいざ自力飛行(オリジナルの論文をかけ)となるととたんダメになるとあります。
本書が書かれたのは30年ほど前ですが、このあたりの事柄は学生の普遍的なもののよう。
ここから自らの考えをもって自力飛行できるか否かによって、今後の社会での身の振り方が大きく変わってくることでしょう。
本書が、東大・京大で支持される理由もわかる気がします。この本は、そういった自力飛行を求められる、社会に飛び立つ間際の学生にこそ染み入る内容に溢れています。


人は何のために読書をするのかということの一つに「新しいことを発見する」ということが挙げられます。
そういった、発見、出会いがあるからこそ、読書は楽しく有意義なものになりえます。
ここ最近読んだ本の中で、本書ほど発見にあふれた本はありませんでした。
ページを進める事に今まで自らの頭になかった知を発見する。
日常的なことがらなのだけれども、それを少し角度を変えてみることでも、まったく新しい発見につながる。
知的好奇心を揺すぶられながら、自分の考え方に新しいものが加わっていく感覚を実感できる本でした。


本書で気に入った言葉
「生物学的にインブリーディング(近親交配)がよろしくないとすれば、知的な分野でもよかろうはずがない。」(同系統の思考を持つ人たちだけで構成された企業、学閥、コミュニティーを批判して)


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良い意味で叱ってくれる本 『自分の中に毒を持て』
(※私が購入したとき『思考の整理学』と『自分の中に毒を持て』が何かのフェアで、同じコーナーで売られていました。『自分の中に毒を持て』も是非チェックしてみてください!)

『男の作法 (新潮文庫)』~ロマン、あるいはダンディズム~

男の作法 (新潮文庫)男の作法 (新潮文庫)
(1984/11)
池波 正太郎

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食べ方、着かた、すごし方


てんぷら屋に行くときは腹をすかして行って、親の敵にでも会ったように揚げるそばからかぶりつくようにして食べなきゃ…。勘定、人事、組織、ネクタイ、日記、贈り物、小遣い、家具、酒、月給袋など百般にわたって、豊富な人生経験をもつ著者が、時代を超えた“男の常識”を語り、さりげなく“男の生き方”を説く。(「BOOK」データベースより)


●男の作法は一日にしてならず

『男の作法』という大胆なタイトル。
作者が池波正太郎だからこそ、つけられるタイトル。
並みの男じゃ、そんなタイトル世間が許してはくれません。

年齢が上がるにつれて、いろいろなことって気になってきます。
TPOに合わせなきゃいけないってことは割とわかりやすいんですが、どうもそれだけではいけない暗黙の了解のようなものが世の中には存在する。

それは、単なる見てくれや振る舞いだけではない、身にまとう空気のようなもの。
それが無いと、はばかられるようなシーンというものが存在するってことを薄々勘付いてきました。。。
(まだまだ私にはそれがありませんが。。。)

歳相応の貫禄というものに近いのかも。
格好やふるまいだけは立派でも、どうもしっくりこない人っているものです。
いきなり、そういうものを身に着けるっていうんじゃなく、常日頃から意識しなきゃ駄目なのかも。

この本を読んでいると、そんなことばかりが頭によぎります。
なんちゅうか、飯ひとつ食うにしてもかっこよさって必要なんだと。
うんちくとか、仕草とか、マナーかそういうものともちょっと違う男の作法。

「男として、こうすれば良いのだ。」とずばり言い切ることの”男らしさ”。
これから歳を重ねていく上で、知っておくのと知らないのとでは、20年後に大きく差がでそうな、そんなものの数々。
うむ、できることから、やってみよう、、、かな?


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『堕落論 (新潮文庫)』~美徳の捉え方~

堕落論 (新潮文庫)堕落論 (新潮文庫)
(2000/06)
坂口 安吾

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正直に、書く

単に、人生を描くためなら、地球に表紙をかぶせるのが一番正しい―誰もが無頼派と呼んで怪しまぬ安吾は、誰よりも冷徹に時代をねめつけ、誰よりも自由に歴史を嗤い、そして誰よりも言葉について文学について疑い続けた作家だった。どうしても書かねばならぬことを、ただその必要にのみ応じて書きつくすという強靱な意志の軌跡を、新たな視点と詳細な年譜によって辿る決定版評論集。 (「BOOK」データベースより)


●ムムム。。。

なんというか、難しかった。
その思想が生きる時代の空気のリアリティがまったくわからないから。

時代が、右向け右だったころに、正面以外を認めようとしないような文章です。
ひとつの、民族としての美意識のような。
美しいうちに散る。散らねば、残るは醜悪であり、堕落。
が、堕落にこそ見出すものが存在するとか。。。

正直、書いてあることがよくわかりません。
自分の読解力の無さ+内容の思想的要素の結果上っ面しかなぞれなかったです。

もっと歳をとるか、読解力を高めるか…
いや、たぶんいつまでたっても受け入れられないものなのかもしれません。

そんな状態でも感銘を受けた部分があったので抜粋

「終戦後、われわれはあらゆる自由を許されたが、人はあらゆる自由を許されたとき、自らの不可解な限定とその不自由さなに気づくであろう。」

「ボタン一つ押し、ハンドルを廻すだけですむことを、一日中エイエイと苦労して、汗の結晶だの勤労の喜びだのと、馬鹿げた話である」

「私は、闘う、という言葉が許されてよろしい場合は、ただ一つしかないことを信じている。それは、自由の確立、の場合である」


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良い意味で叱ってくれる本 『自分の中に毒を持て』

コロッケそばとか 『偉いぞ!立ち食いそば』

偉いぞ!立ち食いそば (文春文庫)偉いぞ!立ち食いそば (文春文庫)
(2009/12/04)
東海林 さだお

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B級美学


男は誰しも偉業に憧れる。人生も終盤にさしかかったショージ君が挑んだのは「立ち食いそば屋メニュー全制覇」。かけそばに始まり春菊天、ちくわ天、コロッケ…世界中から注目されるこの偉業は果たして達成なるのか!?ほかに24個の駅弁を食べまくる「駅弁『奥の細道』」など、満腹感ずっしりの好評エッセイ。(「BOOK」データベースより)


●飲食店…なんだけど

人によっては入るのをはばかられる場所「立ち食いそば」。
ほんの数分、で人は入れ替り立ち替り、そばをかっこんでいく。

B級グルメの中でも老舗の地位を確立している立ち食いそばや。
その全メニューを制覇しようとする、無謀なエッセイ他多数収録されています。

私はわりと立ち食いでも平気なのでよく利用しますが、苦手な人もけっこういるとか。
たしかにあの空間はやや異彩をはなった雰囲気をかもしだしています。

まず、落ち着かない、時間がない、椅子がない。
なにせ、出された飲食物を1,2分で食べきるのが当たり前の空気が流れてる。
普通のそば屋には無いメニューもあたりまえ(コロッケそば、ちくわそば)
じっくり食事を楽しむ場所でもなし。だけれど、意外と味にうるさい人も集まってくる変な場所。

●B級覇王

その場所を舞台に、エッセイ界の大御所、東海林さだおさんは全メニュー制覇というどうでもいい記録にたちむかうわけです。
東海林さんのエッセイと言えば、美食は美食なんだけれど、B級街道一直線といったものばかり。
そんな彼だからこそ、この記録に価値があり、そしてエッセイが輝くわけです。

ほかにも駅弁にチャレンジしたり、食以外ではにんにく注射や偽装温泉のレポートなどもありつつ、ゆったりとエッセイは進行していきます。
扱うものはB級ですが、エッセイ自体はA級品。
さして役には立ちませんが、あんまり頭を使わず読めるので、いい息抜きになるのはなるはずです。

そして、読後は無性に立ち食いそば屋に向いたくなります。


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