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『あなたに似た人』~賭けからはじまるブラックな短編~

ロアルド・ダール
09 /04 2012
あなたに似た人 (ハヤカワ・ミステリ文庫 (HM 22-1))あなたに似た人 (ハヤカワ・ミステリ文庫 (HM 22-1))
(1976/04/20)
ロアルド・ダール

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一般人がはまりこむ世界

短篇の一つ一つにちりばめられた恐怖、幻想、怪奇、ユーモア、機智……数多くの奇妙な味の短篇を発表している鬼才ダールが、賭博に打ちこむ人間たちの心の恐ろしさと、人間の想像力の奇怪さをテーマに描いた珠玉の掌篇十五篇を収めた代表的短篇集。一九五三年度アメリカ探偵作家クラブ賞受賞作!(出版社/著者からの内容紹介)



●異国の黒い風味

以前BULUTUSで紹介されていた本。
日常に潜む、少しブラックな世界を描く短篇集。

前編にわたって、賭けを題材にした話が多いです。
人のちょっとした欲から、ブラックな展開がはじまるといったタイプ。

登場人物の一人ひとり、特に癖があるといったタイプではありません。
どこにでもいる、ありふれた人=あなたに似た人。
自分も、その場にいたら引き込まれるかも…そういった感じの「有りうる」感に少なからず恐怖心がわきたちます。

●さじ加減

どの話にも、きちんとオチが用意されているのですが、それがちょっと物足りない感じ。
ブラックユーモア的な展開で進んでいる割には、シンプルな(予想できうる)オチが多かったのが残念です。
この”ストン”とオチがつく感じも、人によって好きずきでしょう。

日本の小説で言えば、私の知っている限りでは、東野圭吾の「○笑小説」シリーズに近いかも。
日常の中で、とある出来事を支点におかしな方向に進んでいく感じ。
全体を通して、ブラックユーモアに溢れ、笑っていいのか悪いのか、判断の付きづらい面白さ。
『あなたに似た人』も似たような面白さをふくんでいます。

収録されている話の中で、「南から来た男」、「おとなしい凶器」、「偉大なる自動文章製造機」などが、ブラックユーモアがピリリと効いていて良かったです。

マイルドか刺激的か。
マイルドすぎると間延びするし、刺激的すぎるとユーモアにならないし。。。
そのさじ加減がブラックユーモアの難しさであり、読むほうとしての魅力なのかも。


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