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『ウサギ料理は殺しの味 (創元推理文庫)』~風が吹けば桶屋が儲かる的ミステリー~

ピエール・シニアック
08 /19 2012
ウサギ料理は殺しの味 (創元推理文庫)ウサギ料理は殺しの味 (創元推理文庫)
(2009/12/20)
ピエール・シニアック

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フレンチブラックユーモア


レストランのメニューにウサギ料理が載ると若い女が殺される!女占い師と彼女にほどこしを受けるホームレス、ウサギ料理が好きな男、金ではなく高級商店の新入荷品で上客を取る娼婦。絡み合う人間関係。ある日、「ウサギ料理をメニューに載せるな」という脅迫状がレストランに届く。この町に何が起きているのか?とてつもないブラック・ユーモアが横溢する仏ミステリの傑作。(「BOOK」データベースより)


●なぜ、そうなるのか

以前BRUTUSで紹介されていた本です。
フランス流、毒の効いたおかしなミステリー。

毎週木曜日、レストランのメニューに”狩人風ウサギ料理”がのるとき、殺人事件がおこる。
小さな町で出来た、不可思議な連続殺人事件の背景に潜む、歪んだ仕組みとは…

一言で言えば「風が吹けば桶屋が儲かる」式の展開です。
(ある事象の発生により一見すると全く関係の無いような思わぬ所・物事に対して影響が出ることの例え)
ここでは風と桶のかわりに、ウサギ料理→殺しという不思議な関係性が物語の肝。
一見因果関係の無いような事柄がつながり合って、事件へとつながり合っていく。
そのつながりが成立する、不可思議な街のシステム。このへんがミステリー。
一見荒唐無稽のようにも思えますが、都市から離れた小さな街では、実際にこういうつながりが成立するのかもと思わせられます。

次第におかしな方向に発展していく事件。
殺し=秩序。殺しが起こらない=無秩序。
などという理解しがたいことが許容される、小さな街。

日本の小さな町中じゃ舞台に成り得ないであろう、不思議な感覚。
(好き嫌いは分かれるでしょうが、私はわりとすんなり楽しめました)
異国のブラックジョーク好きな人ならば、おそらく楽しめることでしょう。

●ウサギ料理が出れば、殺人が起きる

話の肝、「狩人風ウサギ料理」を出すレストラン、「オ・トロワ・クトー」。
ここで出される様々な料理の描写。

どれもこれも美味しいそう。食べたことも見たこともないようなものばかりですが、自然とヨダレが溢れてくる…
シェフがこだわりを持ってつくる料理の数々。

その中で、唯一シェフが乗り気でないものの、木曜日に出し続ける「狩人風ウサギ料理」。
そのウサギ料理を出すことで、一体街に何が起こるのか…

一連のつながりを、推理出来た人がいたならば、その人はミステリー作家に向いているのかも。。。
最後の最期まで知的好奇心を飽きさせない小説でした。


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