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『しゃべれどもしゃべれども 』~上手くいかなくてもやってみる ~

しゃべれどもしゃべれども (新潮文庫)しゃべれどもしゃべれども (新潮文庫)
(2000/05)
佐藤 多佳子

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自信満々な人なんていない


俺は今昔亭三つ葉。当年二十六。三度のメシより落語が好きで、噺家になったはいいが、未だ前座よりちょい上の二ツ目。自慢じゃないが、頑固でめっぽう気が短い。女の気持ちにゃとんと疎い。そんな俺に、落語指南を頼む物好きが現われた。だけどこれが困りもんばっかりで…胸がキュンとして、思わずグッときて、むくむく元気が出てくる。読み終えたらあなたもいい人になってる率100%。 (「BOOK」データベースより)

「新潮文庫の100冊」掲載


●落語をとおして

落語が好きです。
本書も落語に関係あるというだけで購入しました。

が、予想外に胸打たれ、考えさせられる内容。
こりゃぁ、読んでよかった。。。

4人の口下手な人間が、ひょんなことから落語家の今昔亭三つ葉の下で落語を習い始めます。
それぞれが色々な悩みを抱えていて、三つ葉自身も芸のスランプに陥って。
四苦八苦しながらもそれぞれがやることをやって道を開いていくといった内容。

●結果はどうあれ、やってみる

この話のよかったところは、けしてハッピーエンドといいきれるようなスカッとした終わりじゃなかったこと。
誰も劇的に問題は改善されないし、やっぱりちょいちょい悩みは残ったままエンディングを迎えます。

でもそれがかえって、リアリティがあってよかった。
世の中、そんなにうまくはいかないし、完全にすっきりと解決することもほとんどありません。

作中で、三つ葉はみんなに落語「まんじゅうこわい」を教えます。
それを教えたところで、口下手の解決につながるとはとうてい思えない。
教える方も、教わる方もうすうすそれには気づいている。

それでも、やってみる。いろんな人と関わってみる。
何かを変えたい時には、そうしたがむしゃらな”何か”をやりぬくことが重要となってきます。

それらは、登場人物の口下手や悩みの根源となっていた”自信”の回復につながっていきました。
誰だって、少なかれ自信をなくす時があります。
そうした時、人は何をし、どう接し合うのか。
現実問題で、答えのでにくいことが、登場人物を通じてなんとなく見えてきます。

行動に移すことで、何かやってみることで、現状打破にはつながります。
本作の登場人物たちも、少なからずモヤモヤからの脱出は叶い、それぞれが次のステップへと進むことができました。

ジャンルで言えば、青春ものというのでしょうか。
熱いところもあり、甘酸っぱいところもあり、ほろ苦いところもある。
色々考えさせられて、すっきりしない部分もあるけれど・・・
読了後は「おもしろかった!」という大きな満足感を得られた作品でした。


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