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『ゾンビ日記』~押井守の戦争観 

押井 守
07 /09 2012
ゾンビ日記ゾンビ日記
(2012/06/01)
押井 守

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何か違うゾンビもの


運命の日から数年後、生きている人間を探し求めて東京を彷徨ってきた男は、静かな絶望のなかにいた。男と共存するのは、犬や猫の動物ではなく徘徊するゾンビのみ。人を襲わず、なにも食らわず、何も関心がない。男の他には。“生きている"人間はいなかった。残された食料で生き続ける男は、無為な生活から逃れるように、やがて銃を手にする―――。ゾンビたちが出現した理由は? 運命の日には何が起こったのか? アニメ・映画監督の押井守が描く、新しい小説世界! (内容紹介より)



●細部に宿るなにか

映画版の『うる星やつら』や『攻殻機動隊』などの監督で有名な、押井守さんの描く終末世界。

正直、小説としてはあんまり面白くなかったです。
押井守の映画作品は、細部描写などが売りだと思いますが、それが小説となるとくどい。
作中に銃などがでてくるとウンチクがはじまり、ちょっとついていけない部分があります。

主人公の行動の描写も細かすぎる。
「何をどうして、なにしたか」をそこまで細かく記述しても、たいして劇的な効果もでていない。
押井守の小説を読むのはこれが初めてですが、「餅は餅屋」ってのを強く感じました。

●形が変われば…

これがもし『ゾンビ日記』という小説形態でなく、「押井守の戦争観」などで形式もエッセイや評論本みたいなのであればもっと面白かったかも。
本書の内容の8割方は、押井守の「戦争観」「正義と悪」「生と死」などを多角的に論じたものです。
それだけ見れば、十分面白い作品。
最近『坂の上の雲』を読んでいるので、深く考えさせられる部分も沢山あります。

主人公は、物語の中で毎日ゾンビを殺しています。
そのことを軸に戦争観や死生観が展開するのはなんとなくわかりますが、別になくてもいいっちゃいい。
(『ゾンビ日記』というタイトルもちょっとこじつけの感じ)
いまいち、小説であることの必然性が感じられない不思議な本でした。

んー…、伝えたいことの内容は面白いだけにちょっと残念。。。


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