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チャーミングなヒロイン 『ティファニーで朝食を』

トルーマン カポーティ
04 /14 2012
ティファニーで朝食を (新潮文庫)ティファニーで朝食を (新潮文庫)
(2008/11/27)
トルーマン カポーティ

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映画とは大分違います

ホリーは朝のシリアルのように健康で、石鹸やレモンのように清潔、そして少しあやしい、16歳にも30歳にも見える、自由奔放で不思議なヒロイン。―第二次世界大戦下のニューヨークを舞台に、神童・カポーティが精魂を傾け、無垢の世界との訣別を果たした名作。(「BOOK」データベースより)


●映画版とは違った原作

この作品を知ったのは映画からでした。
オードリーヘップバーンのチャーミングな演技に好感を持ちながら、楽しんだ記憶があります(10年近く前に見たのでうろ覚え)
さて、原作はどのようなものだろうかと思い読んでみたのですが、映画版とはかなり違う内容でした。

ホリー・ゴライトリーは自由奔放極まりない女性として描かれています。
ホリーは貞操観念に薄く、トラブルメーカーでもありながらも多くの人を惹きつける魅力を持つ一方で、自分の心の底に潜む不安感に苦しめられながら生きています。
それは、彼女の幸福でなかった過去からくる不安であり、唯一それが癒される場所が「ティファニー」でした。

ホリーにとっての「ティファニー」は自分の不安感から開放される安息の場所。
彼女は旅を好みます。「ティファニー」のように、自分が本当に安らげる場所がこの地球にあるはずだと信じて。
やや夢見がちな彼女の行動は、微笑ましくある一方で、おそらくその夢はかなわないだろうという切なさもあり、ホリーというキャラクターに哀愁さえ感じられました。

●チャーミング過ぎたキャラクター

このホリーというキャラクター、谷崎潤一郎の『痴人の愛』にでてくるナオミとよく似ているなと思いました。
どちらも、自由奔放、男を惑わす、そしてなにか欠けたところがある…。
ただ明るくチャーミングなだけじゃないところに、とても惹かれるものがあります。

少し残念なのは、この『ティファニーで朝食を』がわりと短編な点。
もう少し、このホリーの活躍、行く末を見てみたいなという、物足りない気持ちもありました。
(ただ、この話が長編になると、ホリーのキャラクターとしての鋭さが鈍るかも…)

ちなみ『ティファニーで朝食を』の他に、あと三編話が収録されています。
『花盛りの家』、『ダイアモンドのギター』、『クリスマスの思い出』どれも人の美しさ醜さを、うまく描いた綺麗な話でした。

映画を先に見た人にとっては、まったく別物の話に映るかもしれません。
ヘップバーンが演じたホリーとは大きく違う、ホリー・ゴライトリー。
キャラクターとしては違っていても、映画のホリーを愛おしく思ったように、小説のホリーにも別の愛おしさを抱くはずです。


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