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受験戦争の果てに 『車輪の下で』

ヘッセ
11 /15 2011
車輪の下で (光文社古典新訳文庫)車輪の下で (光文社古典新訳文庫)
(2007/12/06)
ヘッセ

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がんじがらめの若さ

周囲の期待を一身に背負い猛勉強の末、神学校に合格したハンス。しかし厳しい学校生活になじめず、学業からも落ちこぼれ、故郷で機械工として新たな人生を始める…。地方出身の一人の優等生が、思春期の孤独と苦しみの果てに破滅へと至る姿を描いたヘッセの自伝的物語。(「BOOK」データベースより)


中学生か、高校生の頃。
学校の先生が気が重くなる本というものを二冊紹介してくれました。
その本は、若いうちには読まないほうがいい。ある程度年齢を経てから読んだほうが良いよ、とのことでした。
一冊は太宰治の『人間失格』。もう一冊がヘルマン・ヘッセの『車輪の下で』でした。

あの時、先生は正しかった。
読み終わったあと、なんだずーんと重苦しい気分に。
学生時代に読んでいたらもっとずーんとしたきもちになったろうなと。
『人間失格』を読んだ時にはそれほど思い気持ちにはならなかったのですが。。。

『車輪の下で』の主人公ハンスの少し慢心的な性格。
猛勉強の末に入った神学校での友人との出会い。
心の揺れ。
第二の人生とその後…

なんだか自分にもハンスに似た部分があっただけに余計重苦しい気持ちになったのかもしれません。
この本の時代では、その道を頓挫すると再チャレンジすることが叶わない時代。
ハンスの一度の頓挫は、すなわち彼の唯一信じた未来への道がふさがってしまったにほかならない事だったでしょう。

それまでの人生により、柔軟性が欠けていたハンス。
彼に、もう少し、歳をとる時間があれば。

100年前に書かれた本ですが、現在の日本ともリンクするような部分は多々あります。
多くの人が経験したであろう学生時代、青春時代の苦々しさを思い出さずにいられないような小説です。
太宰治系統の本とはまた違った感触が味わえました。
気持ちの良い読後ではありませんが、何かしら考えることがあるはずです。

現在日本の教育制度は間違っていないだろうか…とか。



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