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推薦図書に選ばれる理由 『十五少年漂流記 (新潮文庫)』

ジュール・ヴェルヌ
11 /09 2011
十五少年漂流記 (新潮文庫)十五少年漂流記 (新潮文庫)
(1951/11)
ジュール・ヴェルヌ

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知恵と勇気と団結力

休暇で、楽しい6週間の船旅に出たはずの、8歳から14歳までの15人の少年。だが、彼らが乗った帆船スルギ号は、荒れ狂う嵐のために、2週間ものあいだ、太平洋のまっただ中を吹き流されていく。マストは折れ、帆がちぎれた。それでも、少年たちは舵を握り、大波と戦うのだった。朝、空が白みはじめ、突然、ひとりが叫んだ。「陸地だぞ」。漂着した地は無人島だった。彼らは力を合わせて生き抜かなければならない。島を何度も探検して地名をつけながら、いかだや住まいを作った。釣りや猟をし、リーダーを選び、争いを克服して、みんなで助け合った。だが、ある日、思わぬ出来事が…フランス、イギリスをはじめ、世界各国で愛読されてきた、血湧き肉躍る、冒険小説の傑作。(「BOOK」データベースより)


十五少年漂流記新潮文庫版』(別名:『二年間の休暇』)。
海底二万海里』などの古典的SFの巨匠、ジュール・ヴェルヌが描く少年たちの冒険物語です。

つい最近、図書館で借りてきた本です。
小学生の時ずいぶん目にはしてきました。
図書室や本屋さんにいけば推薦図書コーナーにはかならずあった『十五少年漂流記』。

どうも推薦図書などに選ばれたものには惹かれない性格でした。
小さいながらに、大人が「読め、読め!」と強制されているような気がして今になるまで読んだことはありませんでした。

最近、いわゆる古典的名作を色々読んでみようと思い、やっとこさ読んでみることに。
軽い気持ちで読み始めたのですが…。
読後、なぜ小学生向け推薦図書の代表格にこの本が選ばれ続けているのかがわかりました。

”読書を楽しむ”。『十五少年漂流記』からはこの感覚がダイレクトに味わえます。
少年たちが孤島において、知恵と勇気と団結力で困難を乗り越えていく姿。
野生動物を捕まえたり、様々な道具をこしらえたり、迫る危機と戦ったり…
(ジュール・ヴェルヌはこういった、身体感覚にうったえる表現が上手いです。)
物語の中には、ドキドキやワクワク、憧れなど子供が大好きな感情がいっぱい詰まっていました。

少年たちの生活を頭に描きながら、次はどうなるのかワクワクしながらページをめくる。
それらの体験は”読書を楽しむ”ということの原点のような気がします。
(私もとても楽しみながら読むことができました。)

同時に、友情の大切さなど子供時代に覚えるべき重要な要素も沢山含まれています。
ただ、勉強になるからという理由で長い間『十五少年漂流記』が推薦図書が選ばれているのではないということです。
この本が面白いから、是非子供たちに読んでもらいたいから薦めるだと思います。
私も、この本を知り合いの子供たちに進めたくなりました。



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古典的深海大冒険


世界を騒がせている”ある物”
それはクジラのごとき大きさを持つなぞの物体。
大規模な調査に同行した、 パリ博物館の教授のアロナクス、従者のコンセーユ、銛打ちのネッドは、とある事故によりその”ある物”に乗り込むことになる。
”ある物”とは現代科学の域を脱した設備を持つ潜水艦「ノーチラス号」であった。
そして、その船の船長にして謎の人物、ネモ船長との不思議な海底冒険が始まる・・・

古典SFの名作とされています。
私が小学生の時に、NHKのアニメでこの話を原作にした『不思議の海のナディア』という番組が放映されていました。
また、最近読んだ『四畳半神話大系』の中でも、登場人物がこの本を読みふける場面が出てきます。

この物語では、ノーチラス号は世界中の海を航行し、その土地どちの海洋生物、また時折陸地の描写もでてきます。
この話が発表されたのは1870年。もちろん今とは比べ物にならないほど世界という物の情報が手に入らなかった時代。
その当時、この話を読んだ人が世界にどれだけ想像を羽ばたのだろうと思ってしまいます。

この物語は、冒険SF小説というよりも世界中の動植物や歴史を紹介した読み物の面が強く感じられます。
北の海にはどんな魚がいるのか、どんな姿かたちで、どういう料理に合うのかetc・・・
容姿から味までが丁寧に描写されているのです。

また、料理の描写がとても美味しいそうに描かれています。
潜水艦の中なので海産物がメインの料理ばかりなのですが、なんだかやたらと美味しそう。
肉厚でジューシィーな魚料理が目に浮かぶようです。

少しだけ陸地の描写が出てくる時も食べ物の描写は光っています。
長らく潜水艦生活で陸地の物を食べていなかった主人公達が、久々に果実や獣肉にありつくのです。
彼らの飢えがスパイスとなり何杯にもその食べ物が美味しそうに感じられました。



さて、話の本筋はネモ船長に。
彼はどこまでも謎の人物。これだけの設備を持つノーチラス号をいかにして作ったのか。
そのノーチラス号に乗り込んで彼は何をしようとしているのか。
どこまでも不思議な人物として描かれるネモ船長。
彼は陸地を嫌い、主人公たちが陸に上がったときも同行しませんでした。
潜水艦内でも何をしているのか謎のまま。
感情の喜怒哀楽もあまり見せず、ミステリアスなままをたもって物語は進行していきます。


100年前の人たちはこの小説をどう受け取ったのでしょうか。
そのことを想像しながら読むことによって、現代の小説とは違う面白さを味わえました。

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