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「やきもき」に近い感情 『キャッチャー・イン・ザ・ライ (ペーパーバック・エディション)』

J.D. サリンジャー
09 /21 2011
キャッチャー・イン・ザ・ライ (ペーパーバック・エディション)キャッチャー・イン・ザ・ライ (ペーパーバック・エディション)
(2006/04)
J.D. サリンジャー

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気づけば通ってきている


J.D.サリンジャーの不朽の青春文学『ライ麦畑でつかまえて』が、村上春樹の新しい訳を得て、『キャッチャー・イン・ザ・ライ』として生まれ変わりました。ホールデン・コールフィールドが永遠に16歳でありつづけるのと同じように、この小説はあなたの中に、いつまでも留まることでしょう。雪が降るように、風がそよぐように、川が流れるように、ホールデン・コールフィールドは魂のひとつのありかとなって、時代を超え、世代を超え、この世界に存在しているのです。さあ、ホールデンの声に(もう一度)耳を澄ませてください。 (「BOOK」データベースより)


昔に買って、放置していた本です。
そのころに少しだけ読んだのですが、面白いと感じずそのままにしておりました。
それから数年の間を経て、最近ようやく読了いたしました。

昔から、『ライ麦畑でつかまえて』は読んでおいたほうが良いと聞かされてきました。
それは永遠の青春小説で、きっと人生のタメになる小説である、と。
私が手にとったのは、村上春樹訳のライ麦畑。
名作+世界的文学者の訳ということで購入したような気がします。


途中で放置していた最大の理由に、主人公のホールデンの性格がどうにも受け入れられないというものがありました。
見ていてやきもきするような考え方。大人ぶっているのに子供としか言えないような行動。
数年前はそれがどうしても受け入れられず、私は読むのをやめてしまいました。

最近、読書量の増えたこともあり、思い切って最後まで読んでみようと再チャレンジ。
数年前に読んだときのなんとも言えない感情は薄まっており、さくさくと読み進めることができました。

読後、なぜあの時自分がこの本を受け入れがたかったのか。
それは自分の中にホールデン的、大人と子供の間でのたうつ、要素がくすぶっていたのだからだと思います。
自分の中のなんとも飲み込めない、気持ちの悪い感情が、主人公のホールデンとかぶっていたのでしょう。
そして、今になってなるほど、これは青春小説と言われる訳を理解することができました。

主人公のホールデンは誰しもが通過するであろう青臭い時代の象徴とも言えるキャラクターです。
自分と世界とのバランスが崩れているような、、大人の世界のなにものをも馬鹿にしているような。
その世代にしかわからない時期を、主人公はモヤモヤしながら過ごしています(尾崎豊の世界にも似てるかも)。

悩んで、バカにして、思い切って、バカになって、色々やってみて。
結局、後にならないと解らないことを、ホールデンは必死に解ろうあがきまわっているようでした。
でもそれが大切なことの一つなのだろうと思います。


題名の「キャッチャー・イン・ザ・ライ(ライ麦畑で捕まえて)」。
物語の中で、ほんとかすかに触れられるホールデンの心情。
その世代の宝石のような、青臭さの塊のようなものの象徴のように私は感じます。



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