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基本欲求に根ざした恐怖 『食肉・食人鬼の怪談 (怖いぞ!古典怪談傑作選)』

日本児童文芸家協会
08 /23 2011
食肉・食人鬼の怪談 (怖いぞ!古典怪談傑作選)食肉・食人鬼の怪談 (怖いぞ!古典怪談傑作選)
(2007/03)
日本児童文芸家協会

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”餓える”から食う

本書では、『食人鬼』や『禁断の味』など、「食べる」という行為に関連した古典怪談を紹介しています。食べ物が十分でない時代、飢えへの恐怖がこのような怪談を生んだものかもしれません。食べたり、なめたりと私たちの日常になじみ深いお話だからこそ、より一層恐怖がひきたちます。(「BOOK」データベースより)


本書は児童書に区分されます。
対象年齢も小学校高学年向けぐらいのものなのですが、選んだテーマがわりとショッキング。
食肉・食人鬼というかなりヘビーな話が展開されています。


「食欲」はもっとも身近で、もっとも抑えがたい欲。
その誰もが抱えるものが怪談と結びついた時、話のリアリティが立ち現れます。
もっとありふれた行為をテーマに語られる怪談は、臓腑からの恐怖を沸き立たせます。

古来よりなんども飢饉に襲われてきた日本。
食への渇望、餓えることへの恐怖が我々のDNAに染み付いているのかもしれません。
餓えたくない、食べたい、どんなことをしても。
人の、生きているうえでは絶対に尽きることのない欲は同時に恐怖の対象としてこのような物語を育む土壌になったのだと思います。


収録されている話は古典的な怪談ばかり。
現代とかけ離れた時代の話だからこそ、より一層事実だったのではないかという恐ろしさも感じます。
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