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『ダース・ヴェイダーとルーク(4才)』~ギャップの優しさ~

ダース・ヴェイダーとルーク(4才)ダース・ヴェイダーとルーク(4才)
(2012/05/28)
ジェフリー・ブラウン

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ルークとダースベイダー。
sfの世界でもっともスケールのでかい親子喧嘩(?)といったら、この二人では無いでしょうか 。

エピソード1〜3までは、ダースベイダーことアナキン・スカイウォーカーの生い立ちと顛末。
そして4〜6まではその息子ルークの運命と、父との決闘。
古典的な展開ながら、ストーリーの骨太さと映像の素晴らしさで、何度見ても飽きない映画の一つです。

本書は、仮定(アナザワールド)のお話。
ルークはまだちっちゃくて、ダースベイダーは子煩悩。
シングルファザーなダースベイダーが、厳しくしようにもしきれない甘さで、ルークと日常をおくる、そんな内容です。

絵柄も可愛いし、ダースベイダーの甘さもなお可愛い。
ルークが戸棚のお菓子をフォースでとろうとしている所をじっと見つめるベイダー。
一緒にご飯やお菓子を食べるベイダー。
寝る前に絵本を読んであげるベイダー。
そして、いつでもどこでもベイダーにくっついていたいルーク。

映画の世界では絶対になかったであろう世界。
そのギャップもあってか、なおさらこの絵本の世界が愛おしく感じてなりません。
ベースの映画の世界観は失わず、しかし設定を変えるだけでまったく違う世界が広がる。
パロディーの一種なのでしょうが、ただ可笑しいというだけでない、味がある本でした。
(ダースベイダーとルークの元設定があるからこそだせる味)
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『チポリーノの冒険 (岩波少年文庫)』~野菜たちの戦い~

チポリーノの冒険 (岩波少年文庫)チポリーノの冒険 (岩波少年文庫)
(2010/10/16)
ジャンニ・ロダーリ

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宮崎駿監督もほめていた『チポリーノの冒険』。
以前『本へのとびら』という本で、そのことが書かれており、ずっと気になっていました。

分類で言えば児童書でしょう。
擬人化された野菜たち。可愛らしく描かれたキャラクターたちが大冒険。。。っとうわかでもなかったです。
ありがちな冒険活劇などではなく、けっこうシリアスな内容も含んでいて、面白い。
圧政に苦しむ民。支配する側される側。その中で権力に立ち向かうチポリーノ。
あとがきを読んでいると、書かれたのは1951年。けっこう第二次大戦でのことや、ナチスのことなんかも織り交ぜられてるようです。

かなり、シビアで毒っけのある内容を、わかりやすい展開と可愛らしいキャラクターたちでうまくオブラートに包んでいて、子供たちでも受け付けやすい形に落とし込んでいます。
おそらく、子供たちだったらすんなり飲み込めることでしょう。
大人だと、ついつい奥に隠されているものを感じ取ってしまい、素直に受け取れないかも。
だからこそ、子どもに必要な本なのでしょう。

この挿絵がとにかく可愛い。
現代でも十分通用する可愛さと言いましょうか。キャラクターの原点のような良さがあります。
野菜がキャラクター化されており、それぞれの特徴を面白く描き出しています。
特に、悪者役の野菜なんかの描き方は、かなりデフォルメが聞いており、醜くもおかしなデザイン。この中では柑橘系がわりと悪役ですが、表皮の凸凹をうまいぐあいに活かしていました。

この絵も、しっかりとした上手さがあります。児童書にふさわしい絵。
下手な絵などがあると、子どもはそれらの影響をもろに受けてしまいます。
その結果、それが基準となって子どもたちが変な絵を描きはじめる危険性も。
しっかりとした上手さの上に展開されるデフォルメ、キャラクター。
ここに描かれているチポリーノたちなどは、是非とも子どもに真似して描いてほしい、良質の絵が詰まっています。


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子どもに必要なものとは 『本へのとびら――岩波少年文庫を語る (岩波新書)』

『いやいやえん―童話 (福音館創作童話シリーズ)』~宮崎駿の認めた童話~

いやいやえん―童話 (福音館創作童話シリーズ)いやいやえん―童話 (福音館創作童話シリーズ)
(1962/12/25)
中川 李枝子

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何かの本でジブリの宮崎駿監督が褒めていたのを見て、気になっていました。
「ここには、子どもの目線がある」とか書いていたような。

最初は普通の幼稚園のようなところから話ははじまります。
すこしきかん坊のしげるちゃんが主人公。先生に怒られて反省して。。。
次の章にはいると、すこし空想的な世界とリンクが始まり・・・
いつのまにやらファンタジックな世界が広がっていました。
(著者の中川李枝子さんは以前紹介した『ももいろのきりん』の作者でもあります。)

たしかに、子供の目線って、現実とファンタジーの境界線がとても曖昧なもの。
私も少しだけ覚えていますが、そんな世界を見ていたような気がします。

お化けとかが本当にいると信じていたり、あそこの家にはゾンビ(保育園のころゾンビブームがありました(笑))がいるとかなんとか。
かめはめ波も出せると信じていたし、中国にいけばキョウシーが普通にいて、アメリカではゴーストバスターズが活躍している。
そんな現実とファンタジーの間を行ったり来たりしながら、空想の世界にもリアリティーを確信している時代。

数年前、近所の小さなビルが解体されていました。
外側からはよく見えないけれど、中からはガタンゴトンと轟音。
友達の子ども(当時1年生の女の子)に「あれはなんの音?」と聞かれたので、「あの中には恐竜がいるんだよ」と言うと、びっくりした顔。
後日友達に聞いたところ、その話を本気にしていたとのこと。
うーん、小さい子の想像力恐るべし(悪いことしたなぁ。)

『いやいやえん』を読んでいて、そんな世界のことを少しづつ少しづつ思い出しました。
そして、今保育園児や幼稚園児の子がこの童話を読んだら、どんな思いを抱くだろうなってことも。
この童話の世界はあたりまえのように存在するものとして楽しめるんだろうなって思いました。
いろんなことがわかってくるにしたがって失ってしまうもの。
この絵本にはそんなピュアな感覚がつめこまれているようです。


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『折り返し点―1997~2008』~宮崎駿監督の熱い思い~

折り返し点―1997~2008折り返し点―1997~2008
(2008/07/16)
宮崎 駿

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ジブリの宮崎駿監督。
その作品は大衆アニメの枠を超えた、感動と芸術性を持っています。
面白いアニメというだけでなく、自然環境問題など様々な提起がなされており、考えさせられることも多い宮崎作品。
そんな監督の、『もののけ姫』から『崖の上のポニョ』までの思いや軌跡が詰まっています。

人それぞれに、好きなジブリ作品は違うもの。
ちなみに私は『紅の豚』が一番好き。
それぞれに好きな作品があって、それに対して熱い思いや語れる深さがあるのも宮崎作品の魅力ではないでしょうか。

映画が公開されるたびに、テレビ局などで監督のドキュメンタリーが放映されます。
ああいうドキュメンタリーでは、監督の行動やその時の思いなどは垣間見えることができますが、うちに潜んでいる思いまでは現れてこないもの。
こうして、文章という形でまとめられたものを読むと、いかに深い思いをもって映画作りをされていたかがわかってきます。

やっぱりハートが熱いからこそ、あれだけ力のある作品を作ることができるのでしょう。
社会の様々なことに対して、皮膚からなにかおどろおどろしいものがとびだしそうになるほどの怒り(もののけ姫のタタリガミのような感じ)がある。
常に問題提起があって、そしてそれに対してなにか一石投じたいという思いがあらわれています。

監督の思いだけではなく、各映画の企画書などもあり、宮崎作品の説明書的な部分もあります。
今後、『もののけ姫』以降の作品を見るとき、より深い理解の手助けとなる本です。


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『日本の笑い (コロナ・ブックス)』~笑いの日本美術~

日本の笑い (コロナ・ブックス)日本の笑い (コロナ・ブックス)
(2011/12/19)
コロナ・ブックス編集部

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この前からちょくちょく日本美術の本を読んでいます。

今回の本は、「笑い」をテーマにしたもの。
どちらかっていうとクスクスといった感じの笑い。
でもそれがいい心地で、日本美術の面白さを再発見出来る感じです。

風刺画として面白いものもありますが、わたし的にはさらりと描いた絵にただよう面白さが好き。
本書で一番気に入ったのは仙厓義梵という人の「いぬの年祝ふた」という絵。
犬の年祝ふた
九州大学総合研究博物館デジタル・アーカイブ 仙 厓 和 尚 の 書 画 より。

犬のゆるりとした様がなんともいえない笑い、可笑しみを誘います。
そもそも犬なのかなんなのか。羊にも見えなくないし、豚にもみえるし(この時代の日本に羊、豚がいたか知りませんが)。
目のつぶらさとか、しっぽのぽよんとした様が、可愛くってしかたありません。

ほかにも私の好きな、歌川国芳の作品なんかも可愛さと可笑しさを兼ね備えた絵を残しています。
本書を通してみると、当時の日本人のユーモアの高さがよくわかります。

もっと小、中、高校の美術の教科書にも、このような絵を載せれば日本美術を好きになる子が増えるかもしれないのに。
そう思わされる絵がたくさん掲載されていて、目を楽しませてくれました。


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