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1951年芥川賞受賞  『壁』 

安部 公房
01 /31 2011
壁 (新潮文庫)壁 (新潮文庫)
(1969/05)
安部 公房

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可視化困難なイメージの世界。

かなり難しい世界が広がっております。
イメージはできるんだけれど、映画化なんて今の技術でも難しいだろうな。
実際に可視化したとたん、世界観が崩れてしまいそうな
危うげな世界観をもった作品。

名前をなくした男の話。その男が主人公。
名前をなくした男はどうも自己も喪失した気がしてならない。
精神的なことでなく、医者は実質的に体の中が空っぽだと診断。
実質内部を喪失した主人公は様々な面倒に巻き込まれる。
主人公の心身も面倒なことになっているのだから巻き込まれる事件は
輪をかけて面倒で不条理な出来事に巻き込まれていく。
(不条理:筋道が通らないこと。道理に合わないこと。また、そのさま。 Yahoo辞書より)

あるはずのものが無くて、無いはずのものに難癖をつけられるような展開。
50年前の作品に広がる新しい感性が納得できないおもしろさ。

梅雨とか夏とかちょっと不愉快なぐらいの季節に読むのがお勧め。
(同時収録のバベルの塔の狸という作品も面白いです。)
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図書館男子

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