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四畳半×阿呆 『四畳半王国見聞録』

森見 登美彦
04 /15 2011
四畳半王国見聞録四畳半王国見聞録
(2011/01/28)
森見 登美彦

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奉る阿呆に奉られる阿呆 同じ阿呆なら・・・


数式による恋人の存在証明に挑む阿呆。桃色映像のモザイクを自由自在に操る阿呆。心が凹むと空間まで凹ませる阿呆。否!彼らを阿呆と呼ぶなかれ!狭小な正方形に立て篭もる彼らの妄想は壮大な王国を築き上げ、やがて世界に通じる扉となり…。徹底して純粋な阿呆たち。7つの宇宙規模的妄想が、京の都を跋扈する。(「BOOK」データベースより)


阿呆の寄せ鍋のような小説です。
しかし、阿呆をつきつめるとそこには哲学的宇宙が広がるのです!

四畳半神話大系』の作者森見登美彦氏による阿呆と四畳半の化学変化的作品。
四畳半というタイトルはついていますが、『四畳半神話大系』の続編ではありません。ベースの世界は一緒ですが。

今回の作品では、その世界観を突き詰め、少しSFやファンタジー要素のかけら、のようなものまで感じさせられます。
他の森見作品と同じく舞台は京都。
腐れ大学生達の情熱的から回り有用性のない神秘論をくしゃくしゃに丸めてゴミ箱に放置したかのような、一見無益な世界観。
いや、その世界も四畳半という正方形の小宇宙の中では、神格化の域まで達するのです。


他の作品のキャラクターや部活動はしっかりリンクしています。
(樋口、小津、図書館警察 etc・・・)
いつもの森見京都でいつものみんな、いつもの風景。
されど、作品のたびにそのディティールは更新されて複雑さを増していきます。

今回出てくる阿呆達に「大日本凡人會」なる組織がでてきます。
彼らは、数式で恋人の証明をはかる「数学氏」を筆頭に、非凡なれどまったく無益な超能力を持つメンバーの集まりである。
無益で非凡な能力をもつ者達が凡人たる生活をおくるために結成されたされた、悲しいほどの阿呆な組織。
(活動は四畳半で酒を飲み愚痴るのが関の山)

彼らの他にも、数多くのエネルギーだけは無駄にある若者達が力の矛先をドブに向けて、花火のように輝き散っていきます。


これは、青春小説なのだと思います。
「アホダナァ」っと思いつつも、読んでいて羨ましくなる自分がいます。
話の中で、空回りだけれども若さを謳歌しているキャラクター達。
四畳半と空間自体は狭いけれど、その中には若き哲学の宇宙が広大に広がっています。

「やがて俺は有名で金持ちになる!!」
「いずれ、黒髪の乙女とお近づきに!!」
「俺以外の人間は阿呆に違いない!!」

そんな感じの根拠無き勢いが、阿呆らしくも見ていて、自分の中の大切な何かを思い出す気がします。


センチな気分にもちっとはなりますが、それはそれ。
基本は大いに阿呆を楽しむ作品です。
この本を読んで、四畳半と阿呆に意識を預けるのもいいでしょう:-)


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今回の表紙を描いているのは、漫画化の古屋兎丸さんです。
いままで、中村祐介さんのイラストのイメージが強かったので、中々本屋さんでは気づかれにくいかもしれません。
(実際、私は中々気づきませんでしたorz)

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「四畳半王国見聞録」森見登美彦

狭小な正方形上に、無限に広がるこの王国。純然たる四畳半主義者たちによる7つの宇宙規模的妄想が、京都の町を震わせる! 阿呆らしくも恐るべき物語。 数式による恋人の存在証明に挑む阿呆。桃色映像のモザイクを自由自在に操る阿呆。心が凹むと空間まで凹ませる阿呆。否!彼らを阿呆と呼ぶなかれ!狭小な正方形に立て篭もる彼らの妄想は壮大な王国を築き上げ、やがて世界に通じる扉となり…。徹底して純粋な阿呆たち...

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