スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

酒好きの大名人 『びんぼう自慢』

びんぼう自慢 (ちくま文庫)びんぼう自慢 (ちくま文庫)
(2005/01)
古今亭 志ん生

商品詳細を見る


昔はってぇっと・・・


天衣無縫の芸で多くの人を魅了した古今亭志ん生
昭和の大名人と呼ばれた師匠が晩年に語った人生模様。

最初に江戸落語で好きになった方です。
私は落語が好きになったのは上方落語からでした。
江戸と上方の一番大きな違いはやっぱり言葉。
上方弁はなんとなくなじみがあるのですが、当時江戸弁がどうしてもなじめませんでした。
べらんめぇ口調というのがどうしても聞き取り辛く、聞かず嫌いがしばらくありました。

きっかけは志ん生さんの落語を聞いたときです。
ちゃきちゃきの江戸弁のリズム気持ちよく、ネタがすいすい染み込んでくるじゃありませんか。
50年以上も昔に収録されたものなのに今でも色あせず面白い。
それから、志ん生さんをはじめ、江戸落語の世界も好きになっていきました。

本書では以前紹介した『なめくじ艦隊』とほぼ内容的には同じです。
ただし、こちらは師匠の最晩年に語られたものなので、よりいっそう人生への懐かしみを感じるものとなっています。

本書では沢山の酒の話が出てきます。
関東大震災の時、これが飲みおさめと一気に一升五合飲んだ話。
横綱双葉山と飲み比べをして二升飲んだ話。
戦時中、日本じゃ十分酒が飲めないから、中国への慰問団に入った話。
敗戦後、満州にてウォッカを6本一気飲みした話 etc・・・
とにかく酒が大好きだったみたいです。

その中で昭和初期の電気ブランについての話があります。
夜は短し歩けよ乙女』などの森見登美彦氏の作品中によく偽電気ブランというお酒がでてきます。
これは電気ブランを参考に作った架空のお酒という設定。
森見作品の流行で、今までは浅草以外では売っていなかった電気ブランが最近は京都などでも置いているそうです。

・電気ブラン。浅草の店にて。
電気ブラン


志ん生師匠は上記の通り相当酒が強かったようですが、その師匠をもってしても電気ブランはそうとう強い酒だったようです。

呑み方てえのがむずかしい。途中でうっかり、タバコなんぞ喫おうものなら、火ィ呼んで爆発するてえぐらい。
~~中略~~
ブランをクーっとやって、大急ぎで水を半分ギューっと呑んで、馬どんをサーッとかっ込んで、また水をキューッと流し込むんですよ。腹ン中で、そいつがうまく混ざって、しばらくたつてえと、ポーッとしてくる。それでも、あくる朝は、舌がもつれるんです。」


酒だろうが、ウォッカだろうががぶがぶ飲めた志ん生師匠でも電気ブランだけはうかつにがぶ飲みできなかった様子。
現在の電気ブランと少し違うかもしれませんが、当時の実体験がリアルに描写されています。

明治、大正、昭和。落語と酒に生きた大名人古今亭志ん生師匠の言葉は、そのまま当時の日本人の暮らしの風景でもあると思います。


この記事へのコメント

トラックバック

URL :

プロフィール

図書館男子

Author:図書館男子
図書館好きの管理人が、様々なジャンルの本を紹介しています。特にお気に入りなのは、江戸、落語、アート、デザイン系の本。相互リンク随時募集中!

検索フォーム
カテゴリ
未分類 (0)
実用書 (71)
デザイン (38)
アート (32)
漫画 (28)
新書 (22)
文庫 (8)
江戸 (13)
落語 (20)
サブカル (10)
幻想的 (9)
ドキュメント (7)
学術 (9)
雑誌 (6)
ライフ (28)
小説 あ行 (16)
アガサ クリスティー (1)
安部 公房 (1)
芥川 龍之介 (1)
有川 浩 (2)
池上 永一 (1)
五木 寛之 (1)
伊坂 幸太郎 (3)
ウィリアム・サマセット モーム (1)
ウィンストン グルーム (1)
江戸川 乱歩 (2)
遠藤 周作 (1)
押井 守 (1)
小説 か行 (4)
カミュ (1)
川村 元気 (1)
貴志 祐介 (1)
ケストナー (1)
小説 さ行 (23)
桜庭 一樹 (1)
佐藤 多佳子 (1)
サン=テグジュペリ (1)
J. R. R. トールキン (1)
J.D. サリンジャー (1)
J‐P・サルトル (1)
志賀 直哉 (1)
C.W. ニコル (1)
司馬 遼太郎 (9)
澁澤 龍彦 (2)
ジャンニ ロダーリ (1)
ジュール・ヴェルヌ (2)
ジョン スタインベック (1)
小説 た行 (14)
ダニエル キイス (1)
太宰 治 (2)
谷崎 潤一郎 (3)
チャールズ ディケンズ (1)
筒井 康隆 (1)
恒川 光太郎 (1)
トーベ・ヤンソン (1)
ドストエフスキー (2)
トマス・H・クック (1)
トルーマン カポーティ (1)
小説 な行 (10)
中 勘助 (1)
梨木 香歩 (4)
夏目 漱石 (2)
南條 範夫 (1)
西尾 維新 (1)
日本児童文芸家協会 (1)
小説 は行 (9)
坂東 真砂子 (1)
ピエール・シニアック (1)
東野 圭吾 (2)
ヘッセ (1)
ヘミングウェイ (1)
星 新一 (2)
堀口 順子 (1)
小説 ま行 (38)
万城目 学 (6)
松岡 圭祐 (1)
三浦 しをん (6)
三島 由紀夫 (1)
三津田 信三 (1)
ミヒャエル・エンデ (1)
宮木 あや子 (1)
村上 春樹 (8)
村上 龍 (1)
森見 登美彦 (12)
小説 や行 (6)
八木沢 里志 (1)
柳 美里 (1)
夢野 久作 (2)
山田 風太郎 (1)
よしもと ばなな (1)
小説 ら行 (2)
リチャード・バック (1)
ロアルド・ダール (1)
小説 わ行 (2)
和田 竜 (2)
取得物@動画など (13)
図書館 (19)
雑記 (22)
購入日 (7)
J. K. ローリング (1)
柳広司 (1)
冲方 丁 (1)
坂木 司 (1)
最新記事
最新コメント
月別アーカイブ
Twitter
tosyokandanshiをフォローしましょう
カウンター
最新トラックバック
フリーエリア
図書館男子さんの読書メーター
リンク
RSSリンクの表示
ブロとも申請フォーム
検索フォーム
QRコード
QR
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。