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ジャポニズム×ガラパゴス 『かたちの日本美―和のデザイン学』

かたちの日本美―和のデザイン学 (NHKブックス)かたちの日本美―和のデザイン学 (NHKブックス)
(2008/10)
三井 秀樹

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粋っていうステキな概念


今や世界的な評価を受ける日本のデザイン感覚。その背景にある日本人独自の造形原理とは何だろうか。リアリズムにとらわれず自然を抽象化する日本の造形原理は、ジャポニスムとして西欧に衝撃を与え、デザインという考え方そのものの出発点ともなった。浮世絵やキモノ、陶器、大和絵といった日本の伝統美術を、「斜線」「余白」「ぼかし」「にじみ」「紋」などデザイン学の視点から多角的に分析することで、現代のデザインにまで通底する「かたちの日本美」に迫る。(「BOOK」データベースより)


最近、ガラパゴスと言う言葉が流行っています。
日本の技術は世界から孤立している。
ならばそれを逆手にとって付加価値として高めていこうじゃないか。っと。

ガラパゴス島っていうのは、たしか他の進化系統と独立したシステムをもつ島です。
他の要素が入ってこなかったせいで、独自の進化システムが成立したところ。
良くも悪くもそのオリジナリティーが外部の者の度肝を抜いたわけです。

さて、江戸ごろの日本の文化はまさにガラパゴス状態でした。
基本的には鎖国政策をとっていたので、情報は入ってきません。
絵などにおいては、西欧は遠近法など様々な技術が発達。
目に見えるままの景色を絵にする技術が研鑽されていきました。

一方、日本。
鎖国状態なので、外部の情報は無く、内部のみで技術を研鑽せねばいけませんでした。
絵の技術は、ありのままを描く写実性から、大胆なデフォルメを加えた構成に写っていきます。
浮世絵に代表されるような絵の構成。

そのころの日本人はそれが当たり前だったのでしょうが、よその国の人は違います。
自分たちとまったく違う技法を確立させている日本人に強いショックを受けました。
特に、印象派の画家達などはその後の絵に強い影響を受けたとされています。

具体的に何にショックを受けたのか。
西洋では絵の構成方法はシンメトリーと黄金分割を基に発展をとげてきました。
むしろそれが無ければ美は構築できないとすら思っていた感さえあります。

しかし、日本の絵の構成はそれらを使わず、美を構築していました。
代わりに発展したのが非対称と余白の文化です。
大胆で荒々しい構図であっても、秩序を失わずバランス感覚の優れている日本の絵。
シンメトリー、黄金分割が入ってこなかったがゆえの独自の進化だといえます。


このほかにも建築の話や現代の日本の文化などにも言及されています。
海外のデザインの潮流、歴史との比較も交えて日本の美意識の良さが語られています。
浮世絵、建築、など個々の専門性の書籍としてはやや物足りません。
しかしデザインという枠組みでの日本の潮流を知るにはちょうど良い本です。

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