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淡く甘酸っぱいメルヘン  『ペンギン・ハイウェイ』

ペンギン・ハイウェイペンギン・ハイウェイ
(2010/05/29)
森見 登美彦

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ほっこりと、少し悲しい

小学4年生のぼくが住む郊外の街に突然ペンギンたちが現れた。この事件に歯科医院のお姉さんの不思議な力が関わっていることを知ったぼくは、その謎の研究を始めるが―。冒険と驚きに満ちた長編小説。 (「BOOK」データベースより)







『夜は短し歩けよ乙女』『四畳半神話大系』でおなじみ、森見登美彦さんの描く、不思議なオハナシ。

今年発表された「2011年 本屋大賞」で3位に選ばれた本です。
森見さんの小説と言えば、大半は京都が舞台。
さえない無鉄砲な腐れ大学生が主人公なことが多いですが、今回は違います。

主人公は、とても頭のいい小学四年生アオヤマ君。
勉強が好きで、向学心旺盛な少年です。
彼には憧れのお姉さんがいます。
歯医者に勤めているそのお姉さんのことをアオヤマ君は大好きです。

ある日、彼らの住む街にペンギンが現れるという事件が。
なんで、こんなところにペンギンがいるんだろう。街の人たちは不思議に思います。
この事件には、お姉さんが持つ不思議な力が関わっているらしいのです。
アオヤマ君はその謎を解くために研究に乗り出すのですが…。



いつもの森見作品だと思って読むと、テイストの違いにびっくりします。
が、すぐにその不思議にあったかい世界観にのめり込んでしまいました。

他の作品にも通じる、森見氏独特の”不思議な出来事の描写の仕方”。
お姉さんが起こす不思議な出来事はすごく想像力を掻き立てられる文章で表されています。
その独特の表現によって、『ペンギン・ハイウェイ』の世界がどんどんと変わっていく様子。
それに引き込まれて、一晩で読破してしまいました。


この物語では、主人公のアオヤマ君のほろ苦い成長が描かれています。
彼は、とても頭のいい少年。
その分、若干感覚的なことにうといところがあります。
自分の気持ちから湧き上がってくることも、感じるのではなく理解しなくては納得できないタイプ。
理解してしまうぶん、彼の成長の苦味は少しほかの少年少女よりも強いものになってしまいがちです。

物語を通じてアオヤマ君は様々なことを発見し、学びます。
世界のこと、人のこと、そして自分のこと。
それらを理解して彼は成長するのですが、理屈では割り切れないことも世の中には起こります。
最後に彼はそれを飲み込んで、大きな成長をとげたように思えます。

アオヤマ君は序盤では飲めなかったコーヒーを、終盤では飲めるようになります。
コーヒーに憧れる、苦味を受け入れることに私にも覚えがある大人への憧れがうまく表現されているような気がします。



印象に残った、アオヤマ君とお姉さんの会話。

「夏休みが終わってしまうね」
「どんなに楽しくても、必ず終わるのだなと思います」
「真理だね」

じんわりと、響いてきます。

この記事へのコメント

- 藍色 - 2011年12月03日 02:01:31

こんにちは。同じ本の感想記事を
トラックバックさせていただきました。
この記事にトラックバックいただけたらうれしいです。
お気軽にどうぞ。

- 図書館男子 - 2011年12月03日 10:35:01

藍色さん、コメントありがとうございます☆

ペンギンハイウェイ面白いですよね♪
可愛らしい、ちょっと背伸びのファンタジーって感じもします。

わたくし、トラックバックのやりかたがあまりよくわかっておりませんので、ご了承くださいませ。

トラックバック

粋な提案 - 2011年12月03日 01:53

「ペンギン・ハイウェイ」森見登美彦

小学四年生のぼくが住む郊外の町に突然ペンギンたちが現れた。 この事件に歯科医院のお姉さんの不思議な力が関わっていることを知ったぼくは、 その謎を研究することにした。未知と出会うことの驚きに満ちた...

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