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森見怪異 『きつねのはなし』

きつねのはなし (新潮文庫)きつねのはなし (新潮文庫)
(2009/06/27)
森見 登美彦

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京都の夕闇

京の骨董店を舞台に現代の「百物語」の幕が開く。注目の俊英が放つ驚愕の新作。細長く薄気味悪い座敷に棲む狐面の男。闇と夜の狭間のような仄暗い空間で囁かれた奇妙な取引。私が差し出したものは、そして失ったものは、あれは何だったのか。さらに次々起こる怪異の結末は―。端整な筆致で紡がれ、妖しくも美しい幻燈に彩られた奇譚集。(「BOOK」データベースより)



『夜は短し歩けよ乙女』などの著作がある森見登美彦さんが描く少し妖しい京都の話です。

森見さんの作品と言えば、少し古風な話し言葉とバカバカしくも青春の香り漂うものが多いです。
しかしこの『きつねのはなし』に限って言えば、かなり他の作品と違うテイストです。
(あえていうと『宵山万華鏡』はかなり近いテイストです)

京都を知り尽くした著者が書く、妖しい空気感。
路地裏のような、入り組んだところ、太陽の届かない、京都の街の奥の奥。
魑魅魍魎と人間がうっすら混じり合うようなキワキワの世界。
じんわりと湿っぽさが漂う、まとわりつくような気味悪さを感じる話です。

私は高校生のころは角川ホラーが好きで、今でも怖い系の小説は好きなのですがこのはなしはあまり好きにはなれませんでした。
話の流れがすっきりしているわりには、後味がすっきりしないという感じ。
読後の薄気味悪さがやけにひっかかります。

しかし、怖さで言うならば上質のものをもった作品だと思います。
読んでるときにはそれほどでもないのですが、しばらくするとじわりと怖さが立ち上がってきます。
それらの怖さは、京都という舞台にぴったりな部類のレトロな怖さ。
日本に昔から受け継がれている怖さが広がっていきます。

他の森見作品と同じノリで読み始めると痛い目にあうと思います。



関連記事
清楚なお嬢さんが主役です。 『夜は短し歩けよ乙女』
古風でイグサの濃い香り 『四畳半神話大系』

この記事へのコメント

はじめまして! - さっくん - 2011年12月12日 12:32:38

はじめまして~、ブログ村から飛んできました♪
きつねのはなし、すごく気になってたんです!
薄気味悪くて後味悪いなら多分私の好みです笑
参考になりました^^

夜は短し~も面白かったですよね♪

- 図書館男子 - 2011年12月12日 19:06:48

さっくんさん、コメントありがとうございます☆

呪いとかじゃない、ジャパニーズホラーって感じですね♪
知らない間に、入っちゃいけないところに入っているような、少し理不尽な感じです。

森見さんの作品では、今のところ夜は短しが一番好きです☆

- ジャイ - 2011年12月18日 16:41:14

怖いですよね。普通のホラー小説と違うのは、詳細が明かされないまま終わるというか、謎が残る終わり方になっているところだと思います。え、結局コレってなんだったの?というか。
分からない状態というのが、実は人間は一番怖かったりするのではないかと。

そしてこの怪奇な小説の舞台になるのは京都以外にはありえません。
京都を愛する森見さんにしか書けない世界だと感じました。

- 図書館男子 - 2011年12月18日 21:43:03

ジャイさん、コメントありがとうございます☆

このタイプのホラーって日本的なんですよね。アメリカだともっとはっきりしてて、ラストはラストできっちり終わらせる感じ。
なんとも言えない、微妙な感じが怖さを増幅させてくれています。

たしかに京都が舞台じゃなかったら怖さ半減です!

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