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『どくとるマンボウ航海記 (新潮文庫)』~世界を巡る面白さ~

どくとるマンボウ航海記 (新潮文庫)どくとるマンボウ航海記 (新潮文庫)
(1965/02)
北 杜夫

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気張らない文体で世界が見える


水産庁の漁業調査船に船医として五か月の航海に出た著者が、航海生活や寄港したアジア、ヨーロッパ、アフリカの風景や文化をめぐり、卓抜したユーモアとユニークな文明批評を織りこんでつづった型やぶりの航海記。日本人の対西欧コンプレックスのない自由で気ばらない旅行記としてたちまちベストセラーとなった。年月を経て今なお新しい、旅行記ものの先駆的作品。 --このテキストは、絶版本またはこのタイトルには設定されていない版型に関連付けられています。(「BOOK」データベースより)


「新潮文庫100冊」 収録



●港から港へ

どくとるマンボウこと著者の北杜夫さん。
彼は1959年に水産庁の漁業調査船に船医として同行し、その時の様子を、ユーモラスに描いた記録が本作です。

海の上での生活、船での楽しみや様々な思い。
陸にあがることの嬉しさ、新しい国への新鮮な驚き。
物売り、食べ物、酒、ポン引き、女性、政治経済、マナー etc

北さんは旅行者とはちょっと違う立ち位置なので、一般の旅行記とは違った視点からの海外描写が不思議な可笑しさを誘います。
港から港への生活なので、基本沿岸部しか立ち寄れず、そういうところには船員ねらいの商売が乱立。
基本的にいかがわしさがつきまとうけど、どこか楽しくしたたかで活気にみちた人々。
そういう人々とのやりとりから、その国の文化がなんとなく見えてくるところに、この本の良さがあります。

●新鮮な感動は輝きを失わない

この本が書かれたのは、今から50年以上も昔。
当時はインターネットもなければ、海外旅行さえ普及し始めの時代。
まだまだ外国というものに、未知の憧れをもっていた時代だと思います。

そんな時代に書かれた『どくとるマンボウ航海記』からは、情報過多の現代では味わえないであろう未知への楽しみが感じられます。
事前知識は伝え聞いた噂のみ。あんまよくわからないが、とりあえず行ってみて、その場で感じ取る。

それは、北さんが感じとった生の感情であり、即興的な面白さが伝わってきます。
50年経ても、その面白さは輝きを失うことなく、光り続けています。


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