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無理を通さねばならぬ時がある  『坂の上の雲〈5〉 (文春文庫)』

坂の上の雲〈5〉 (文春文庫)坂の上の雲〈5〉 (文春文庫)
(1999/02)
司馬 遼太郎

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理屈より行動


松山出身の歌人正岡子規と軍人の秋山好古・真之兄弟の三人を軸に、維新から日露戦争の勝利に至る明治日本を描く大河小説。全八冊(出版社/著者からの内容紹介)


●「集団」というものを考えさせられる

坂の上の雲、第5巻
日露戦争の重要な局面、二0三高地の攻略です。

海軍、大本営の進言に耳を貸さず、二0三高地に決定的な攻撃を加えない乃木希典の軍。
戦死者は続々と増え、日本軍の損害は大きくなるばかり。

その現状を打破したのが、陸軍大将であった児玉源太郎。
彼は、軍の規律を曲げる形で、旅順の乃木軍の元へ向かい、自らが軍の指揮をとることを提言する・・・

情報系統がスムーズにいかないことの弊害を強く感じる巻です。
上層部の混乱によって、どれだけの日本人が死んでいったことか…

「集団」というものが出来る時。もちろん個々の資質も重要ですが、それを効率良く動かすことのできるシステムをきっちりと構築しておくことが何よりも重要なのでしょう。
一部でも乱れることがあれば、それが結果として集団全体の崩壊にもつながりかねません。

乃木軍の行動はその乱れにあたり、そのままでは日本敗北の要因になりかねないところにまで迫ったもの。
ここで、児玉源太郎は無理を通して乃木軍のもとに向かい、それが結果として起死回生の一手となりました。

●時として無理を通す

児玉源太郎の行動も、システムの面から言えばややイレギュラーな行動ですが、それを無理やり押し通すことで開かれるものがある。
時には無茶な行動でも、閉塞感と停滞につつまれた場面では奇手を打たねばならぬ場面がある。

大局的に見たとき、児玉源太郎の行動が問題点を取り除き、システムを効率よく運用する重要なことであったことがわかってきます。

史実から現代の様々な問題との共通点を見つけ出し、その解決策を見出す。
歴史小説などこれまで読んだこともありませんでしたが、この『坂の上の雲』を読むたびにそのことを考えさせられます。


●6巻へ


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日露戦争勃発 『坂の上の雲〈3〉』
旅順と乃木希典 『坂の上の雲〈4〉』

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