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『黒魔術の手帖 』~黒魔術のリアリティを感じるなら~

幻想的
08 /25 2012
黒魔術の手帖 (河出文庫 し 1-5 澁澤龍彦コレクション)黒魔術の手帖 (河出文庫 し 1-5 澁澤龍彦コレクション)
(1983/12)
澁澤 龍彦

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人知を超えた力を得るには

(「BOOK」データベースより)
中世暗黒時代を中心に妖術師や権力者らが繰り広げた黒魔術の数々。カバラ、占星術、タロット、錬金術、サバト、黒ミサ、自然魔法、そして史上名高い幼児殺戮者ジル・ド・レエをめぐる様々なエピソードを紹介した本書は刊行後、世間に強烈なインパクトを与え、三島由紀夫に「殺し屋的ダンディズムの本」と嘆賞された。


●科学以前

前回につづけて、澁澤龍彦氏の本です。
今回は人知を超えた、黒魔術に関するエッセイ。

今ではすっかり、漫画やアニメ、ゲームの中でしかお目にかかれない魔術。
かつて、中世にはその実在を信じ、実行した人が多数いました。

その中でも、特に悪魔の力を借りて、超大なる力を得ようとしたのが黒魔術。
犠牲、生贄、退廃的儀式、etc…
様々な、日常からかけ離れた過程を経てでも、力にすがりつきたいという人間の業に溢れています。

澁澤龍彦氏の本ですから、様々な資料を元に内容を構成しています。
なので、とにかく情報が濃ゆい。そのへんのコンビニなんかで売っている500円ぐらいの魔術本などとは格が違います。

科学が発達していない時代の、強烈な願い。
自分の力ではどうにもできない、しかしなにがなんでもどうにかしたい。
あるものは神に祈り、あるものは超自然的なものにすがる。

しかし、それは肯定的(プラス面)の要素を含んだものに限ります。
人を陥れたい、呪いたいといったような負の側面は、誰に祈るのか。
その対象が当時は悪魔であり、その呪術的側面が体系化していったのが黒魔術です。

●ジル・ド・レエ侯とは

この本でも『異端の肖像』に出てきたジル・ド・レエ侯がさらに詳しく解説されています。
物語「青ひげ」のモデルと言われ、ジャンヌダルクと共闘したこともある英雄ながら、後に子供の大量快楽殺人を行なった人物。

ジル・ド・レエ侯がいかにして、そのような道に落ちていったかということを、黒魔術の側面から解説されています。
他の本では、その行なったことの部分ばかり強調されているので、その背後に何があったかをしることができ、あらためて当時の時代というものの闇の部分が垣間見えました。

黒魔術の手帖』と言っても、実際の魔術の行い方が載っているわけではありません。
(ちょこっとだけのっていましたが)
そのへんはあしからず。


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