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『神の棄てた裸体―イスラームの夜を歩く』 ~イスラム社会の性~

神の棄てた裸体―イスラームの夜を歩く (新潮文庫)神の棄てた裸体―イスラームの夜を歩く (新潮文庫)
(2010/04/24)
石井 光太

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硬く閉ざされたベールの奥に


(「BOOK」データベースより)
イスラームの国々では、男と女はどのように裸体を絡ませ合っているのだろう―。「性」という視点からかの世界を見つめれば、そこには、性欲を持て余して戒律から外れる男女がいて、寺院の裏には神から見放された少女売春婦までがいる。東南アジアから中東まで旅し、土地の人々とともに暮らし、体感したあの宗教と社会の現実。戦争報道では分からない、もう一つのイスラーム報告。

「新潮文庫の100冊」収録



●未知なるイスラムの性

イスラムという言葉でイメージするものの中で、女性が顔を隠すというのがあります。
夫以外には顔を見せない。肌も露出しない。
非常に性に対して厳粛な宗教というイメージ。

そんなイスラム教を信仰する国々では、性に対するあつかいはどのようになっているのか。
現地を取材した著者が、タブー視されている世界を解き明かします。

いままで考えていたイメージが一変するような内容。
イスラム国家内での性というものが思っていたよりも乱れているという事実。

売春婦や男娼が街で客引きをするという光景。
売春宿も存在し、「春を売る」という行為が存在しているということに驚かされます。

●生きるための性

しかし、そこで働く女性達の背後に隠れているものは、国家規模の問題。
戦争、紛争、飢餓、差別。。。
故郷を追い出されたり、貧困のために自らの体を売るという選択肢以外、選べない人々。
国家がどうあれ、法律がどうあれ、宗教がどうあれ、そこで生きていかねばならない人々の凄まじさが垣間見えます。(『もの食う人びと』が食を通して世界を見るのならば、こちらは性を通して世界が見えてきます)

また、その性を売る年齢層の低さ。
まだ10代になったばかりの子ども達まで、体を売っているという事実。

目を背けたくなるような悲惨な事実。
大人たちから求められることによってしか、自らの価値を見出せない子どもなどもでてきます。
そんなことが現代社会においても存在するということに、世界の格差を思い知らされずにはいられませんでした。

●何か考えずにはいられない

こういう本を読まなければ、解からなかった世界の実像。
世の中、本当に綺麗でもないし、問題は山積みで存在している。
そんな中、無力ではあるけれど、個人として何ができるのか。

たとえば、コンビニのレジにある募金かもしれない。
ほんの少し、お釣りを入れてみる。1円からでも良い。
我々にとっては、ほんの少しかもしれませんが、それが積もり積もって、世界の貧困問題解消につながるかもしれない。

日本という、少なくとも物質や制度に恵まれた国にいる我々は、何ができるのか。
なんだか、色々なことを考えさせられる本。
世界はまだまだ良いほうに変わらなきゃならないと強く願う。


--------------------------------------------
一夫多妻制などについての実情なども載っています。
今まで、ハーレムのようなものだと思っていましたが、実際はもっとシステムとして必要なもののようです。

厳しい環境で男達がどんどん戦争にとられていくような国で。
独身の女性が容認されないような差別の厳しい国で。
結果として導き出された相互扶助のシステム。

これもまた、考えさせられる問題でした。


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