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『芸談 あばらかべっそん (ちくま文庫)』~色気のある名人、桂文楽~

芸談 あばらかべっそん (ちくま文庫)芸談 あばらかべっそん (ちくま文庫)
(1992/04)
桂 文楽

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昭和の大名人、桂文楽の芸談です。

とっても古い本。本屋に行っても今じゃ売ってないぐらいです。(だから、リンクのイメージがでてきませんでした汗)
図書館でリクエストして、県の大きい図書館から取り寄せてもらいようやく読むことができました。

芸談は芸談なんだけれど、なんとも色っぽい文楽師の人生。
様々なところで色事の話題がでてきます。
たぶん、そういう経験が自身の芸の肥やしになっているんだろうなぁ。
桂文楽師の演じる女性って、色っぽかったり茶目っ気があったりと、絶対にいるなっていう女性像。
たぶん、相当いろんな女性と付き合って(一晩だけのことも多かったでしょうが)そういう女性像を構築していったのでしょう。

題名にもある『あばらかべっそん』。
これ、すなわち桂文楽語。
特に意味はないらしいですが、ちょっと困ったときなどに「いやぁー、それはあばらかべっそん」などと使うと言われております。
(ほかにも「べけんや」などの名言(?)も。)

よく、志ん生、文楽と比較がでてきます。
古今亭志ん生と桂文楽。
その芸風は全然違うけれど、どちらもなんともいえない味がある。
日によって、志ん生を聞きたい日もあれば、文楽のほうがいい日だってある。

志ん生の『なめくじ艦隊』や文楽の『あばらかべっそんを』を読んで思うのは、芸ってその人の人生そのものなんだなってこと。
色々経験して、経験して、いやってほど色んなものを経験してその先に花開くもの。
頭じゃなくて、体に染み付いた空気とか色気とかそういうもんがあって初めて、名人て形作られるんじゃないかなって思います。
だから、双方とも大分におじいさんなのに、べらぼうに面白い。引き込まれる。
たぶん、空気や色気がないとどんなに上手くても、なんか物足りなさがあるのかも。風味とかそういう感じで。

本書などで桂文楽師が体験していることは明治、大正、昭和初期だからこそまだ出来たこと。
色事や旅にしても、いまよりもいくぶんのんびり時間が流れていたからこそ許される類のものだと思います。

それでも今に生きる私たちも、現代だからこその経験ができる。
別に噺家になるわけでもないし、まして名人になろうってわけではないけれど、色々経験してなにかしらの味わいのある年のとり方をしたいものです。


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