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『不思議な羅針盤』~丁寧な眼差し~

梨木 香歩
08 /20 2013
不思議な羅針盤不思議な羅針盤
(2010/12/17)
梨木 香歩

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『西の魔女が死んだ』の作者、梨木香歩さんの随筆集。
以前にも書きましたが、梨木さんのはエッセイというより、随筆といった趣があります。
ニュアンス的なものですが、私はこの本を随筆と呼びたい。

自然のサイクルを生活に取り入れながら生活する梨木さん。
人だけのサイクルでは見えてこないものや、感じ取れない微かなものにまでその眼差しは注がれています。
ひとつひとつが丁寧。
淡く、清らなか日々の営みにしっかりと向き合うその姿勢と文には、背筋が伸びるような、心地よい緊張感が含まれています。

本書の中から、気に入ったところを抜粋

「(フキの下ごしらえについて・・・)アクというものは、常に外に出よう出ようとしているもののようだ。人のうちにある「アク」もきっと、そのようなものなのだろう」

「(フキのアクと人のアクをからめて)「アク」は簡単に爪を染、心を染める。その「アク」の質によっては、一度染まったら二度ともとには戻らない。知らなかった自分に戻れない。」

「明るさや音が強烈であるほど感覚が揺さぶられるわけではない。乱暴に言えば、ハリウッド映画のように刺激が大きければ大きいほど感覚自体は麻痺するし、入ってくる情報が少なければ少ないほど、僅かな差異を認識しようとより感覚の間口は大きく開かれ、感度は高く研ぎ澄まされていく。」

梨木香歩さんの哲学とでももうしましょうか。
自然の摂理、流れと絡めたその視線。
人間本位の生活体系が主流の世の中において、もう一度見つめ直すべきものを投げかけてくれています。


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