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『陰翳礼讃 (中公文庫)』~日本の美学について~

谷崎 潤一郎
09 /10 2013
陰翳礼讃 (中公文庫)陰翳礼讃 (中公文庫)
(1995/09/18)
谷崎 潤一郎

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影や暗いところを尊ぶ。
そこから始まる美の価値観。

小説家である谷崎潤一郎氏の随筆集です。
かなり昔に書かれたものですが、現代人が見失いつつある、ある種の日本のアイデンティティについて言及されており、クリエイターやデザイナーなどに、支持されています。

どこもかしこも明るい。
西洋化の波のある面は、世の中の闇、暗い部分をすべて照らしだそうという方向性で発展してきました。
現代など、夜に街にでてみても、どこにも街灯はあるし、コンビニなどは周囲をコウコウと照らしています。
それはそれで便利ですし、それがあるからこその安心感というものもあります。

しかし、旧来では日本は暗いのが当たり前であった。
家屋などでも、奥まったところは日がささず、薄暗い。むしろそれが当たり前の状態であったようです。
西洋人はそういうものを光で支配しようとした。日本人はむしろそこに順応し、そこから美意識を育てていった。
本書で、そういった意見が出てきた時に、なるほど日本古来の道具などがある種の地味さや陰鬱さを秘めているのかということに合点がいきました。

道具というものは、生活や空間から生まれてきます。
闇や暗がりといったことが当たり前であった日本において、その状態のなかでもっとも美しく機能的であることが求められて行ったのでしょう。
現在では、我々はそれらを明々とした蛍光灯、電灯の下などで見ますが、それは本来ではないのでしょう。

夜外にでてみる。
見渡す限り人口の光のない場所なんていうのは、よほどの山奥にでもいかないと無理でしょう。
感覚的なことで言うと、じつはそういう闇の中に身を置くことも必要なのかも。
そうすることで開けてくる、感覚であり美意識であり、日本風土に本来あるものを目覚めさせることができるのかも。

日中、家の中。
家中の電灯を消し、過ごしてみる。
どこかしらに生じる陰あるいは闇。
そこにこそ、忘れられた美意識の生じる隙があるように感じます。


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図書館男子

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