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素直な少女の物語 『モモ』

モモ―時間どろぼうとぬすまれた時間を人間にかえしてくれた女の子のふしぎな物語 (岩波少年少女の本 37)モモ―時間どろぼうとぬすまれた時間を人間にかえしてくれた女の子のふしぎな物語 (岩波少年少女の本 37)
(1976/09/24)
ミヒャエル・エンデ

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敵役に感じる時代の隠喩


時間におわれ、おちつきを失って人間本来の生き方を忘れてしまった現代の人々。このように人間たちから時間を奪っているのは、実は時間泥棒の一味のしわざなのだ。ふしぎな少女モモは、時間をとりもどしに「時間の国」へゆく。そこには「時間の花」が輝くように花ひらいていた。時間の真の意味を問う異色のファンタジー。小学5・6年以上向き。(「BOOK」データベースより)


作者のミヒャエル・エンデは映画『ネバーエンディング・ストーリー』の原作『はてしない物語』の作者でも有名です。

エンデ氏の作品は社会問題や皆が見えていないことがらを哲学的に描き出していると思います。

このモモという作品でも街の人たちは”時間が無くなる”という感覚に気づくことはありません。
毎日をあくせくあくせく働いては、人としての大切な何かを失っていきます。

チャップリンのモダン・タイムスのような寓意を『モモ』のなかでたびたび感じます。
とにかく都市のため、会社のため、お金のため。
働く目的で働いている人々。

主人公のモモは、そのような機構にとらわれていません。
コミュニティーの都市システムから逸脱した存在といえます。
ただ、語弊の無いように言えば、住民コミュニティーの中では大変に人気者です。
そのようなコミュニティーが時間泥棒の手によってシステムよりになってしまったので、モモは一歩そこから離れるのです。

モモは大変自由な存在ですが、ある種孤独なところもあります。
コミュニティー内は飛び回りますが、グループに属してはいません。
しかしモモはその執着の無さを生かし自由に活動し、町に元気を取り戻していきます。
(裸の王様に出てくる、正直な子供のような視点ともとれると思います。)

児童向けの小説ですが、考えさせられることは沢山あります。
時間泥棒という存在が何を表し、モモという存在が何を表すのか。
人によって千差万別の答えを見つけることができるかと思います。

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