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生きるためのしたたかさ 『伏』

桜庭 一樹
01 /26 2011
伏 贋作・里見八犬伝伏 贋作・里見八犬伝
(2010/11/26)
桜庭 一樹

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”人偏”に”犬”と書いて”伏”と読む。

伏とは本編に登場する犬と人とのあいのこの名。
江戸時代、町に潜み強靭な力で奔放に人を殺める伏。
懸賞金がかけられて賞金稼ぎが伏狩りにくりだす。
その中の一組、兄妹と伏との格闘。そして伏という生き物の因果の話。


軽めの語り口で書かれた文体が、伏の因果を力強く彩っています。
里見八犬伝が下敷きになっているので比較的すんなりと受け入れられる世界観。
情景と匂いが色濃く香る気がしました。
本編中にある森の描写。遊郭、歌舞伎、刃傷沙汰。
むせ返るような、ほこりっぽく汗臭い。綺麗なところじゃない匂い。
けれども艶っぽい、生生しい匂いが想像させられる文章です。

その文書中ではねまわる犬人間、伏。
人間ではないのだけれど、人の世に人としてふるまわなければ生きられない獣。
しかしその血は、自分の欲望に忠実で、奔放で、縛られることを嫌います。
猛々しくも可愛そうな伏の宿命が内容を濃くしています。

表紙のデザイン。”伏”の一文字が背景に映えて眼を引かれる一冊です。

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