FC2ブログ

『1Q84 BOOK 2』~転換する世界~

村上 春樹
01 /24 2013
1Q84 BOOK 21Q84 BOOK 2
(2009/05/29)
村上 春樹

商品詳細を見る



ますます面白い展開になってきました。
主人公である天吾と青豆。二人の世界に共通項が見え始めますが…うーんまだまだ先が読めない。

私にとっては共感を得るようなタイプの小説ではないけれど、それでもなにかの類似点はありそう。
それがなんなのかわからないから、気持ち悪くはあるけれど、それのヒントのようなものが散りばめられた物語。

現在2巻まで読んだ感想。
すごく現実的なんだけれども、ファンタジー的なイメージ。
これは読んでみないと実感できないかもしれませんが、私にとってはまさにそれがぴったり。
でてくることも、実際の出来事をモチーフにしていたり、社会問題を扱っていたり。そういう類になると重苦しくなりがちですが、ぜんぜんそんなイメージはうけません。

すごく重要な社会的問題なはずなのに、ファンタジーで感じるような空気感のようなものが漂っていて、それのおかげですんなりしみこむようです。

例えば、おとぎ話が社会で生きていくための重要な事柄を内包しているようなものなのかな。
寓話というようなものでしょうか。その話の奥に重要な意味が隠されている。ただ、それを直接伝えるよりも、ファンタジーまたは物語といったオブラートに包むことで、効果的に受け入れられ作用するといった感じ。

『1Q84』でも、実際に進行している現実的な出来事はあくまでオブラートで、その裏側に劇薬が仕組まれている気がします。
でもそれが何なのかは、まだよくわかりません。
もしかしたら全部読み終わってもわからないかもしれないし、そんなものはないのかもしれません。
でも今は、それの気配を感じながら、この不思議な物語を読みすすめています。

主人公の一人、天吾の父親の台詞
説明しなくてはそれがわからんというのは、どれだけ説明してもわからんということだ

人それぞれの解釈があるはず。
それを感じながら、続きを読むことにします。


関連記事
『1Q84 BOOK 1』~まずは1から~

『1Q84 BOOK 1』~まずは1から~

村上 春樹
01 /22 2013
1Q84 BOOK 11Q84 BOOK 1
(2009/05/29)
村上 春樹

商品詳細を見る



ちょいと前に流行っていた『1Q84』。
書店に山ほど平積みされて、多くのメディアで取り上げられていたのを覚えています。
社会現象とまではいかなかったけど、それに近いようなものもあったかも。
なんとも、普通の本とは違う扱いだったのが印象的でした。

さて、今になってその本を読んでみることに。
なんというか”機は熟した”というかそんな感じで。
何の機だと問われれば困りますが、あえていうなら読書力あるいは読書量のようなもの。
自分なりに、あるていど冊数をこなしたということで、今回手にとった次第。

面白い本の定義に「先が気になって仕方がない」というものがあれば、間違いなく『1Q84』は当てはまります。
もう、気になって気になってしかたがない。
しかも、次の段階がどうなるのかさっぱり予想もつかず、どんどんどんどんのめり込んでいく感じ。

主人公が男女二人いて、その二人の物語が交互に展開されていきます。
女性パートがすごく気になるところで終わって、次の男性パートへ。
その男性パートも、気になる展開を見せるところで終わり。そしてさっきの続きの女性パートへ。
飽きることのないテンポ。
すごく巧妙にページ作りがなされており、かなりページ数は多いですがだれることなく常に緊張感をもって読みすすめられました。

このBook1(第一巻)では序章です。
とにかく『?』だらけ。これが日常なのかそうでないのか、現実を書いているのか、そうでないのかも読めない。
主人公たちも、現時点で進行している出来事をつかめず翻弄されている感じ。
飛び交う、意味ありげな台詞。芝居がかっているのだけれど、それがすんなり受け入れられる世界観。
こんなタイプの小説は、私の読書経験の中ではなかったので、とにかく引き込まれています。

あの時あれをやっていれば、もしくはしなければ今とは違っていたのに、、、といった類の出来事。
物事は選択の連続で、その結果のみに道ができます。
物語の中でも、常に選択の連続。その選択の決定権は作者の村上春樹氏にだけあります。

作家は物語の方向性を決める決定権をもっています。
それは当たり前のことですが、この『1Q84』ではそれを強く意識してしまいます。
”彼らはいったいどうなってしまうのか?”その思いが常に読んでいる私の心にあるから。

作家というものが、これだけ大きな存在に感じられたのは初めての経験です。

現在、続きを読書中


アップルの伝説的CM『1984』



関連記事
『アフターダーク』~明けて、また暮れて。そして繰り返す~

『アフターダーク』~明けて、また暮れて。そして繰り返す~

村上 春樹
01 /18 2013
アフターダークアフターダーク
(2004/09/07)
村上 春樹

商品詳細を見る




うーん、なんとも不思議な余韻。
晴れ晴れしくはないんだけど、妙にすっきりしているというか・・・

私にとって、初めての村上春樹作品。
村上作品は、私の中で一段高い位置にありました(読んだことないにもかかわらず)世間中で高評価を得ている。
『1Q84』などはメディアにも多く取り上げられていたし、世界の多くの国にも読者がいる。
しかも、ノーベル賞候補にまでなっている。
人気があるのに、通俗的なものとは一線を画したなにかがあるに違いない。

ある程度の読書力を身につけてから読んでみたいと、数年前からふつふつと思っていました。
自分の中の、そんなものを整えた上で、十分に味わって読みたいと。
読書力と言っておきながら、そんなものがあるかは疑問ですが、とにかく今なら読めるといったタイミング的なもので手にとったしだいです。

『アフターダーク』。
”あるんだろうな”って世界。
世の中の表でもなければ裏でもない、グレーゾーンを行き交った人々の一夜の話。

どんな端役のキャラクターにも、大切な存在感を感じます。
たとえ数行しかでてこないタクシー運転手さんにも、そこにいる必要性のようなものが。
ぽつり、ぽつりと交わされる会話が、哲学的というか本質的というか。
芝居がかっているようにも取れなくもないですが、すんなり馴染ませるだけの世界がありました。

登場人物によっては”救われた”ようにも見えるし”奈落に落ちた”ようでもあるし。
でも、それもはっきりしなくて、あくまでもグレーゾーンなのです。
それは気づけば、はっきりと形をみせ劇的に世界が変わるのだけれども、気づいていないからこれまでと同じ生活が続いていくような。
どこまでも曖昧な世界が広がっていて、でも現実味を帯びていて。

正直、解釈に戸惑うというのが本音です。
ただ、この本で描かれた物語が全てではなく、その物語の後にひろがる世界こそに明確な形があるのでしょう。


関連記事
不条理なのは誰なのか 『異邦人』

図書館男子

図書館好きの管理人が、様々なジャンルの本を紹介しています。特にお気に入りなのは、江戸、落語、アート、デザイン系の本。相互リンク随時募集中!

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。